アメリカの美術館にも休館の波。MoMAやメトロポリタン美術館も

新型コロナウイルスの影響で、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ホイットニー美術館、グッゲンハイム美術館、ボストン美術館、ボストン現代美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリーなどの主要美術館・博物館が休館すると発表した。

メトロポリタン美術館

 新型コロナウイルスの影響で、アメリカの主要美術館や文化機関が続々と休館すると発表した。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ホイットニー美術館、グッゲンハイム美術館、ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート、ブルックリン美術館、アメリカ自然史博物館、メトロポリタン・オペラ、カーネギーホール、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団など、ニューヨークを代表する文化施設が3月13日から一時的に閉鎖するという。

 メトロポリタン美術館では、ふたりの職員が新型コロナウイルスの症状を発症。ひとりは検査を待っており、もうひとりは家で隔離しているという。

 同館の理事長兼CEOであるダニエル・H・ワイスは声明文でこうコメントしている。「メトロポリタン美術館の優先事項は、スタッフ、ボランティア、および訪問者の保護とサポートであり、感染地への旅行を推薦しないこと、厳しい清掃作業の実施、ニューヨーク市の保健当局および疾病管理センターとの緊密なコミュニケーションの維持など、いくつかの予防措置を講じてきた。美術館との関連性が確認された症例はないが、私たちは、コミュニティのために安全で健康的な環境を確保するため、できる限りのことをしなければならないと信じている」。

 いっぽう、美術館レベルの展示スペースを持っているペース・ギャラリーをはじめ、ガゴシアン、ハウザー&ワース、デイヴィット・ツヴィルナーなどのメガギャラリーも、ニューヨークのスペースを一時的にクローズする。

ニューヨーク・チェルシーにあるガゴシアン・ギャラリー

 ニューヨークだけでなく、美術館閉館の波はアメリカのほかの地域にも続いている。アメリカ有数の科学、産業、技術、芸術、自然史の博物館群・教育研究機関複合体である「スミソニアン博物館」は、14日から、国立動物園を含む、ワシントンD.C.やニューヨーク市にあるすべての博物館を一時閉館すると発表した。

 同館は先月、約280万点のデジタルコレクション画像や約2世紀分のデータを自由にアクセスできるプラットフォーム「Smithsonian Open Access」を公開。休館中にも利用可能だ。

 また、ボストン美術館やボストン現代美術館(ICAボストン)、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館、ハーバード大学美術館など、ボストンの美術館も13日から休館。ボストン美術館は最大30日間休館し、ICAボストンは4月19日までのプログラムを中止もしくは延期すると発表した。

 そのほか、アトランタのハイ美術館とワシントンD.C.のワシントン・ナショナル・ギャラリーも、それぞれ13日と14日から休館する。

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