2020.3.13

中国の美術館は再開へ。新型コロナで海外美術館の動向は?

新型コロナウイルスが蔓延している現在、世界の主要美術館の最新動向をまとめてお届けする。

上海当代芸術博物館 Courtesy of Power Station of Art
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 新型コロナウイルスの影響で、世界中の美術館・博物館は相次ぎ休館し、アートフェアや芸術祭も延期・中止となっている。

 現在、ヨーロッパでもっとも感染者が多いイタリアでは、全土の映画館や劇場、博物館などの施設が4月3日まで閉鎖を命じられている。

 感染状況がもっとも深刻な北部地域では、ペギー・グッゲンハイム・コレクションやプラダ財団などの美術館が約2週間の休館を経て3月2日に再開したものの、8日からふたたび休館に入った。

 いっぽう、従業員による感染リスクへの懸念のため、3日間休館したパリのルーヴル美術館は3月4日に再開。しかし感染拡大を防ぐため、同館は11日より事前にオンラインでチケットを予約した来場者のみが入場できるという措置を実施。また、人と適切な距離をとることや、接触を避けることなどの注意事項も掲載している。

ルーヴル美術館(公式ツイッター@MuseeLouvreより)

 また、フランス政府は新型コロナウイルスの拡散防止措置として、1000人を超えた集会を禁じている。そのため、オルセー美術館は入場者数を制限しており、「美術館の入り口での待ち時間が長くなる場合がある」とウェブサイトで告知している。

 アメリカ・ニューヨークでは、3月1日に初めての感染者が報告。現時点では、すでに200人以上(3月12日の時点)の感染者が確認されているが、ニューヨークの美術館は依然として開館している。

 ニューヨーク近代美術館(MoMA)はウェブサイトにて、手洗いや消毒を喚起。メトロポリタン美術館では、ふたりの従業員に感染の症状が見られることから、本館と2つの分館を13日より休館(現時点で再開は不明)。美術館全体の清掃を大幅に増やし、スタッフの出張や旅行も制限している。

 また、グッゲンハイム美術館は「ARTnews」に対し、「重要ではない博物館への旅行はすべて中止または延期された。また美術館が閉鎖された場合は、適切な場所で在宅勤務できるようにする計画についても話し合っている」としている。

グッゲンハイム美術館 Photo by David Heald © The Solomon R. Guggenheim Foundation, New York

 新型コロナウイルスが世界各国に蔓延するいっぽう、中国ではその拡大が減速しつつある。11日には、新たに確認された感染者はわずか15人だったと発表された。

 その影響を受け、1月後半から休館している上海博物館と上海当代芸術博物館は、13日より再開すると発表。2館は、オンラインでチケットを予約した来場者の入場のみを可能にしており、それぞれ1日2000人と600人の入場者数制限を行う。

 また、上海民生現代美術館も14日に再開。入場者数を最大100人に設定しており、また毎日100枚のマスクを入場者に無料配布するという。