2017年春の開館以来、草間彌生、ダニエル・ビュレンといった国際的なアーティストがその吹き抜け空間を演出してきた東京・銀座のGINZA SIX。その第3弾となる、ニコラ・ビュフの巨大作品が11月12日にお披露目された。
1978年、フランス・パリに生まれたニコラ・ビュフは、現在東京を拠点に活動する現代美術家。日本では、14年に原美術館で個展「ニコラ ビュフ:ポリフィーロの夢」を開催したほかコム・デ・ギャルソンやエルメス、ピエール・エルメなどとのコラボレーション。ヨーロッパの古典美術と日本やアメリカのサブカルチャーをミックスさせた作品で広く知られる存在だ。
今回、ビュフがGINZA SIXで展開するのは、「“Fantastic Gift” 〜『冬の王国』と『夏の王国』の物語〜」と題した様々な作品。これは、ビュフによるオリジナルストーリーをもとに制作されたもので、物語は地球の真反対にある「夏の王国」と「冬の王国」の王様が、それぞれ自分の子供が引き起こす問題に困っていたところ、「春共和国」と「秋共和国」の小さな天使「プッティ」のアイデアによって「光るぞう」と「冷たいアイスクリーム」を贈りあい、両国に平和が訪れた、というもの。
館内吹き抜けには、全長14メートルもの巨大作品が浮かび、そこに4メートルの「光るぞう」が出現。小さな天使「プッティ」がドローンを使って「光るぞう」を「夏の王国」から「冬の王国」へと運ぶ1シーンが表現されてる。下から見ると「夏の王国」が、上から見ると「冬の王国」が見えるという構造になっているので、エスカレーターを上り下りしながら様々な方向から鑑賞したい作品だ。
また銀座中央通りに面した正面エントランス2ヶ所には「夏の王国」と「冬の王国」のゲートが描かれているほか、地下2階のショーウィンドー、エスカレーター、柱などGINZA SIXのあちこちに作品が散りばめられているので、宝探しのような気分で楽しむことができる。