パリのロダン美術館が、中国広東省の深センに新しいアートセンターを設立することが発表された。
「artnet」の報道によると、「ロダン・アート・センター」と名付けられるこの施設は、中国政府から資金提供を受けるもので、今後2〜3年かけて建設。パリのロダン美術館からロダンのブロンズエディション作品を50点購入し、50点の作品を最短5年間借入するという。
ロダン美術館は、「近代彫刻の父」と称されるフランスの彫刻家、オーギュスト・ロダンの作品およびロダンが収集した美術品のコレクションを中心に所蔵する美術館。1908年から、ロダンは美術館の建物をアトリエとして使い、死後の1917年にフランス政府に作品およびコレクションが寄贈され、19年に美術館として開館した。
今回の新しいアートセンターについて、同館の広報担当者は次のようにコメントしている。「深センは、私たちにとってもっとも重要な資産を持つ都市のように見えました。それは、文化と教育を支持する政治的意思であり、非常に専門的で効率的なチームでもあります」。
深センは、香港と隣接する中国初の経済特区。中国のIT巨頭「テンセント」や通信機器大手「ファーウェイ」が本社を置き、「アジアのシリコンバレー」とも呼ばれる。新しいセンターの建設費用や開館年について、同館は、来月エマニュエル・マクロン大統領の中国訪問の際に詳細が明らかになるだろうと述べている。
2017年12月、ロンドンのV&A博物館は、深センの複合施設である「海上世界文化芸術センター」にデザインミュージアムとして入居。今年11月には、チームラボの「ボーダレス・ミュージアム」とパリのポンピドゥー・センターの別館が上海に相次いで開館する予定だ。世界中の主要美術館による中国への進出ブームは、これからも続くだろう。