「表現の不自由展・その後」の展示再開をめぐり、様々な動きが起こっている「あいちトリエンナーレ2019」において、新たに1作品の展示が一時的に閉鎖されることになった。
展示室の一時閉鎖が行われるのは、キャンディス・ブレイツ《ラヴ・ストーリー》。同作は、インタビューから抜粋・編集された難民のストーリーを俳優(アレック・ボールドウィン、ジュリアン・ムーア)が再演する映像と、実際の難民の映像によって展示が構成されている映像インスタレーションだ。
トリエンナーレによると、ブレイツからは9月3日付けで自作の展示の一時中止の申し出があったといい、これを受けて、24日から展示室を一時閉鎖。ステートメントを掲げた状態になっている。なお、土日祝はこれまで通り展示を見ることができるという。
同トリエンナーレにおいては、「表現の不自由展・その後」展示中止に連帯を示すとして、これまでイム・ミヌク、パク・チャンキョン、タニア・ブルゲラ、ハビエル・テジェスが展示を中止。またモニカ・メイヤー、ドラ・ガルシア、レニエール・レイバ・ノボら6作家が展示内容を変更し、田中功起は展示の「再設定」を行っている。
加えて藤井光も9月22日に開催されたレクチャーパフォーマンスにおいて、名古屋市美術館で展示中の作品《無情》の一時停止を表明し、現在事務局と協議中であることが明らかになった。「表現の不自由展・その後」展示中止の余波はいまだ収束が見えない。