モニカ・メイヤーは1954年メキシコシティ生まれ。メキシコのフェミニスト・アートのパイオニア的存在で、ジェンダー間の不均衡を可視化する作品を数多く制作している。メイヤーが78年に始めた参加型プロジェクト《The Clothesline》は、参加者が日常生活で感じる抑圧やハラスメントなどをピンク色の紙に書き、物干しロープ(clothesline)に展示するというもの。各自の思いを告白するのに安全な環境を提供するとともに、社会構造から生じるダブル・スタンダードについて観客に気づきをもたらし、そこから対話や連帯が始まるきっかけをつくり出してきた。
そんなメイヤーは「あいちトリエンナーレ2019」に参加。8月1日にスタートする展示に先立ち、来日を記念した公開レクチャーと、作品の一部となるワークショップを展開する。
まず、6月24日の公開レクチャーの前半では、モニカ・メイヤーが《The Clothesline》を制作した背景や、アートとフェミニズムがどのように変化してきたのか、40年に及ぶ活動をもとにレクチャーを行う。続く後半では、名古屋大学大学院人文学研究科准教授・長山智香子の進行のもと、アーティストの嶋田美子、名古屋大学大学院人文学研究科准教授の馬然(マー・ラン)、「あいちトリエンナーレ2019」芸術監督である津田大介の登壇者を交え、女性やマイノリティを取り巻く日本の状況についてディスカッションを通じ思考を深める。
6月25日から28日まで4日間にわたり行われるワークショップでは、メイヤーとともに、フィールドワークをしながら愛知版《The Clothesline》 に携わるというもので、初日はオリエンテーション、2〜3日目はグループディスカッションとフィールドワーク、最終日は振り返りとしてディスカッションが行われる。
応募詳細は、公式ウェブサイトをチェックしてほしい。