1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍しながら、58歳になった年に自らのスタジオを閉鎖し、世間から姿を消したソール・ライター(1923〜2013)。2017年には、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでその日本初回顧展が行われ、その後各地を巡回。多くの人々を魅了したことは記憶に新しい。
この回顧展から3年が経つ2020年、回顧展の第2弾「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」が行われる。
表舞台から姿を消していたソール・ライターが脚光を浴びたのは2006年のこと。ドイツの出版社シュタイデル社が刊行した写真集『Early Color』がきっかけだった。ライター自身は当時すでに83歳だったが、この写真集を皮切りに、世界各地で展覧会の開催や作品集の出版が行われ、2012年にはドキュメンタリー映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』までが公開された(日本公開は2015年)。
天性の色彩感覚によって「カラー写真のパイオニア」と呼ばれたソール・ライターは、約8万点のカラー写真をはじめ、作品の大半を整理することなく逝去。その発掘作業は、ソール・ライター財団によって現在も続けられている。
2020年の展覧会では、前回の展覧会では発掘しきれていなかった膨大なアーカイブのなかから、世界初公開となる作品を含む多くの未公開作品と豊富な作品資料を展示。これら通して、ソール・ライターのさらに知られざる一面を紐解き、その魅力に迫るものになるという。
前回展では8万3000人以上の来場者数を記録したソール・ライター。次の展覧会は、これ以上の人々を集めることになるだろう。
※タイトルを修正しました(2019年12月11日)