デムナ・ヴァザリアの就任以来、ファッション界に大きなインパクトを与え続けているメゾン「バレンシアガ」。その2019年フォールコレクションのキャンペーン・ビジュアルが公開された。
今回キャンペーン・ビジュアルを手がけたのは、写真家ジャン・ピエール・アタル。アタルは1963年生まれ。現在もパリを拠点に国際的に活動しており、現代社会の表層を写し取ったような作風が特徴だ。今回のキャンペーン・ビジュアルでは、社会学的考察シリーズである「Paysages Ethnographics」に見られる手法を採用。バレンシアガをまとったモデルたちが闊歩するコスモポリタン的な風景が、モロッコやスペインのランサローテ島の砂漠に重ねられている。
建築物が建ち並ぶ現代の迷路から引き離されたモデルたちは、それぞれがさすらう「個」となり、(バレンシアガのコレクションも相まって)その存在がより際立つようだ。
アタルはこれらスチルに加えて、ヴィデオ・キャンペーンも手がけている。こちらではアタルの映像プロジェクト「Chronique Urbaine」のように、都会で見られる匿名的な親密さを表現。エスカレーターや階段などを闊歩するバレンシアガをまとった多くのモデルたち。都市の中に存在する、目に見えない境界線が見事に表現されていると言えるだろう。