NEWS / HEADLINE - 2019.3.4

日本の2018年「アート産業市場規模」は推計3434億円に。美術品市場は2460億円

アートフェア東京を主催する一般社団法人アート東京が、約2万人を対象とした「日本のアート産業に関する市場調査 2018」を実施。日本全体のアート産業市場規模は推計3434億円に上ると発表した。

アートフェア東京2018の会場風景

アートフェア東京2018の会場風景

 アートフェア東京の開幕を前に、同フェアを主催する一般社団法人アート東京(以下、アート東京)が、約2万人を対象とした「日本のアート産業に関する市場調査2018」を実施し、その結果を公表した。

 同調査は、インターネットアンケート会社が契約するモニターを対象に、2018年9月28日~10月4日にかけて実施。調査はこれまで同様2段階で行われ、1次調査は政府統計をもとに、性・年代、職務状況(有職 / 無職)、年収(有職者は個人所得、無職者は世帯所得)を日本全体の分布に近いかたちで割り付け。2次調査は、「一定以上の国際経験がある」「美術館・博物館訪問(年2回以上)」「20~50代」「働いている(会社員・役員、自営業、専門職、公務員)」「居住都道府県(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県)」の条件をすべて満たす人物を対象に行われた。

販売チャネルトップは国内画廊・ギャラリーの735億円

 今回の調査から算出された日本国内のアート市場規模は、古美術や洋画・彫刻・現代美術などの「①美術品市場」は2460億円(前年は2437億円)、グッズやカタログなどの「②美術関連品市場」は470億円(同306億円)、美術館入場料や日本各地で開催される芸術祭消費額を含む「③美術関連サービス市場」は504億円(同517億円)となり、総額は推計3434億円となった。

 「美術品市場」の販売チャネル別では、国内画廊・ギャラリーが735億円で、次いで百貨店が644億円。アートフェアは253億円、インターネットサイトは180億円となっており、3年連続で増加している。

出典=「日本のアート産業に関する市場調査 2018」(一社)アート東京・(一社)芸術と創造

 ジャンル別では、昨年同様、洋画が548億円とトップを維持。次いで日本画の436億円、陶芸の402億円、版画の294億円となっている。なお現代美術(平面)は222億円だが、立体・インスタレーションを合わせると391億円となる。

 「美術品の輸出入動向」は、輸入は1990年の6000億円をピークに、93年以降は500億円未満で推移してきたが、2011年以降は再度拡大傾向にあり、2017年は580億円となった。また輸出も、2006年までは100億円を下回っていたが、07年以降拡大傾向であり、15年以降は300億〜400億円の範囲で推移している。なお輸入輸出ともに最大の相手国はアメリカで、その数字は合計で300億円以上となっている。

ミュージアムへの訪問状況

 上記の調査に加え、今回の調査では「ミュージアムへの訪問状況」と「国際経験豊かなビジネスパーソンのアートに係る状況」も分析。「ミュージアムへの訪問状況」では、過去1年間に1回以上ミュージアムを訪問した人は37.2パーセントで、月に1回以上訪問するのは1.5パーセントとわずか。過去1年間に訪問したミュージアムでは東京国立博物館が35パーセントとトップで、次いで国立西洋美術館(29パーセント)、東京都美術館(26パーセント)、国立新美術館(23パーセント)となっている。

 また「国内のミュージアムに望むこと」では、「入場料金(企画展・常設展)の低廉化」をトップに、「著名な芸術家の展覧会の充実」「アクセスの利便性」「人気の展覧会の混雑の緩和」などのほか、「自由・気軽に滞在・休憩できるスペースの充実」「レストラン・カフェの充実」などの割合が高くなった。

出典=「日本のアート産業に関する市場調査 2018」(一社)アート東京・(一社)芸術と創造

国際経験豊かなビジネスパーソンは半数が作品購入経験あり

 いっぽう「国際経験豊かなビジネスパーソンのアートに係る状況」では、1次調査回答者のなかから「国際経験豊か」「一都三県在住の20代~50代の就労者」「過去1年間に2回以上美術館・博物館に訪問した」という条件の人々を抽出し、「国際経験豊かなビジネスパーソン」と定義して分析。299サンプルのうち、50パーセントが過去になんらかの作品購入経験があり、購入したことがない場合でも約3割が購入に関心を持っていることが明らかになった。

 また「国際経験豊かなビジネスパーソン」は「芸術に関する価値観」の調査においても特徴的な数値を示している。「芸術的視点は、産業競争力の強化において重要である」「芸術的視点は、あなたの仕事において重要である」といった項目の数値が、一般調査(2016年実施)に比べて20パーセント以上高くなっており、ビジネスシーンにおけるアートの重要性の高まりがうかがえる。

 なお世界の美術品市場規模は、2009年を除くと約600億ドル規模で推移しており、17年は約637億ドル(約7.16兆円)となっている。