2003年設立の非営利組織「アート・ジャミール」はドバイを拠点に、中東、北アフリカ、トルコ以南の現代美術、文化遺産の保護、創造的起業家精神の育成を目的に活動している。そのアート・ジャミールが11月11日に中東初の現代美術のアートセンター「ジャミール・アートセンター」をドバイのウォーターフロントにオープンすることがわかった。
総面積が約1万平米におよぶこのアートセンターの設計を手がけたのは、イギリスの建築事務所、セリエ・アーキテクツ。展示室に加えライブラリー、スタジオ、レストランなども併設し、アート・ジャミールのコレクションも含めた企画展が行われる。
オープニング展では、10の展示室のうちの1室を使い、アーティストの塩田千春が新作を発表。本作は、ドバイの歴史とアイデンティティに着目し、伝統的な渡し船「アブラ」を使ったサイトペシフィックな作品になる。また塩田のほかにもララ・ルーク、マハ・マルー、ムニーラ・アル・ソルフといった3名の女性アーティストが個展形式で作品を発表する。
いっぽう、シャルジャとニューヨークを拠点とする美術史家、キュレーターのムルタザ・ワリによる企画展「Crude」も開催。17組が参加する本展では、石油業界の歴史の暗部にフォーカスすることで、中東の近代化と変遷をひもとく。