「ジャポニスム2018」は、日仏友好160年を記念し、今年から来年にかけ、パリ内外で日本の芸術文化を大規模に展開するプロジェクト。本プロジェクトは、2016年5月の二国間合意から約2年の歳月をかけて実現に至ったものだ。開催期間中は、「展覧会」「舞台公演」「映像」「生活文化」の4カテゴリーで、日本の伝統芸能から現代美術、ポップカルチャーまでを紹介する多数のプログラムが行われ、すでに「チームラボ展」(ラ・ヴィレット)や「池田亮司|continuum」(ポンピドゥ・センター)などがスタートを切っている。
この本格的な開幕となる7月12日を前に、東京・六本木のアークヒルズで出陣式が行われた。
出陣祝賀会には安倍晋三内閣総理大臣をはじめ、ローラン・ピック駐日フランス大使などが登壇したほか、「ジャポニスム2018」広報大使に就任した香取慎吾も登場。
安倍総理は「縄文土器からアニメまで、世界に類を見ないこの文化を世界に伝えたいという想いから始まった。過去に例を見ないスケールの祭典であり、日本外交に文化の柱を打ち立てる一大事業」と本プロジェクトの意義を語る。
今回、初の個展「NAKAMA des ARTS」(2018年9月19日~10月3日)をルーヴル美術館シャルル5世ホール(カルーゼル・ドゥ・ルーヴル)で開催することが決まっている香取は、「自分は本当に絵を描くのが大好きで、いつか個展をやりたいと思っていましたが、まさかパリでできるとは思っていなかった。ジャポニスム2018とともに、ひとりでも多くの方に見ていただければ嬉しいです」と広報大使の一面ものぞかせた。
「ジャポニスム2018」では、「深みへ—日本の美意識を求めて—」展(7月14日〜8月18日、ロスチャイルド館)や「若冲—〈動植綵絵〉を中心に」展(9月15日〜10月14日、パリ市立プティ・パレ美術館)、「ジャポニスムの150年」展(11月15日〜19年3月3日、装飾美術館)、「藤田嗣治展」(19年1月16日〜3月16日、パリ日本文化会館)など、多種多様な日本の美術を紹介する企画が盛り込まれている。
政府の新たな文化戦略はどのようにフランスで受け入れられるのだろうか。その反響に注目したい。