椹木野衣が初のエッセイ集『感性は感動しない――美術の見方、 批評の作法』を刊行。美術館での鑑賞術や批評の作法を説く

美術批評家・椹木野衣が初の書き下ろしエッセイ集『感性は感動しない――美術の見方、 批評の作法』(世界思想社)を7月14日に刊行する。本書は、椹木が美術館での鑑賞術や批評の作法を伝授すると同時に、自らの批評の根となる人生を綴ったもの。

椹木野衣 感性は感動しない

 美術批評家・椹木野衣が初の書き下ろしエッセイ集『感性は感動しない――美術の見方、 批評の作法』(世界思想社)を7月14日に刊行する。本書は、美術批評の第一人者として注目を集めてきた椹木が、絵の見方と批評の作法を伝授するとともに、批評の根となる人生を描いたもの。

 冒頭には、25校以上の入試問題に出題された椹木の代表的なエッセイ「感性は感動しない」を収載。それを源泉として綴られたエッセイが「第Ⅰ部 絵の見方、味わい方」「第Ⅱ部 本の読み方、批評の書き方」「第Ⅲ部 批評の根となる記憶と生活」 の3部で構成されている。

 第Ⅰ部は、美術館での鑑賞術など、絵をどのように見ればいいのかを、具体例を交えて説明すると同時に「絵とは何か」 「批評とは何か」という本質的な部分にも切り込んでいく。

 続く第Ⅱ部では、朝日新聞の書評委員も務める椹木自身の本の選び方や読み方が、キータッチから睡眠までの「批評の作法」とともに明かされる。音楽、映画、美術との比較に用いられた本の特徴に基づき、椹木特有の文章の書き方に触れる内容となる。

 そして、故郷である秩父の思い出、京都・同志社大学での学生生活、そして一児の父となった現在までの半生が、今日の椹木の批評とどう結びついているのか、論理的な必然性を示す第Ⅲ部で本書は締めくくられる。全体を通じて、椹木の批評をつくりあげるリズム、美術批評家に行き着くまでの足跡を具体的にたどることができるだろう。

 また、椹木自身の意図により、装丁には画家・高橋大輔による《無題(デの青)》が使用されている。

編集部

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