2017年4月20日に東京・銀座の新たな名所として開業したGINZA SIX。ここには様々なパブリックアートが設置され、来館者の目を楽しませてきた。
なかでも「インスタ映え」する作品として一躍大きな注目を集めてきたのが、草間彌生のバルーンインスタレーション《南瓜》だ。3種類14個からなる巨大カボチャが、シャンデリアのように吊り下げられているのを目にした人も多いだろう。この作品は当初より常設展示ではないことが明らかにされてきたが、3月21日をもってついに展示終了となることが発表された(再展示の予定はなし)。
そして、その草間の後を担うのは、フランスの巨匠アーティスト、ダニエル・ビュレンだ。ダニエル・ビュレンは1938年フランス生まれ。65年から、自身の論理に基づいた8.7センチ幅のストライプ模様の作品を数多く制作。その作品は絵画、彫刻、壁面、建物など幅広いメディアに展開され、これまで数千点以上の作品が制作されてきた。86年にはフランス代表としてヴェネチア・ビエンナーレに参加し、「金獅子賞」を受賞。また、2007年には高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)を受賞。近年では、16年にフランク・ゲーリー設計のフォンダシオン ルイ・ヴィトン(パリ)の美術館建築をジャックし、話題となった。また、日本でも「横浜トリエンナーレ2005」、「茨城県北芸術祭」(2016)など数多くの芸術祭や恒久設置を行っている。
4月2日から展示されるのは、《Like a flock of starlings: work in situ》と題された新作。約9メートル×約19メートルという巨大な本作は、ダニエル・ビュレンのトレードマークである8.7センチのストライプ模様を旗に用いたもの。赤と青の計1500枚の旗によって構成されており、GINZA SIXを彩る(〜10月31日)。
またこれにあわせ、新作インスタレーションと連動した作品が全長約1100メートルの銀座・中央通りにも展開。90枚(180面)のフラッグで通りを埋め尽くす(〜5月6日)。
開業から1周年を迎えるGINZA SIXに、ダニエル・ビュレンが新たな風を吹き込むことだろう。