根本敬(1958年東京都生まれ)は、81年に『月刊漫画ガロ』に掲載の「青春むせび泣き」で漫画家デビュー。以降「特殊漫画家」としての道を突き進み、漫画界のみならず、音楽やアートの分野にも多くの熱烈な支持者を持つ。
根本は今年5月に、「根本敬ゲルニカ計画」と称したプロジェクトを始動。根本からの影響を公言する、現代美術家の会田誠を画材アドバイザーに迎え、パブロ・ピカソの《ゲルニカ》(1937)とほぼ同サイズ(333×788センチメートル)の大作絵画の制作を進めてきた。
完成した作品は、10月1日に東京・京浜島で開催された「鉄工島フェス」にて初披露され、当日にタイトルを《樹海》とすることが根本本人より発表された。本展では、この《樹海》とともに、根本の約半年にわたる制作を記録した映像や資料をあわせて展示。会期中の12月23日には、山崎春美による詩の朗読や、会田誠による根本敬への公開インタビューが行われる。
なお、本作の制作過程は、漫画家のニコ・ニコルソンにより漫画化され、雑誌『美術手帖』にて連載中。今後、単行本化も予定されている。