1991年に始まったメルセデス・ベンツ日本の文化・芸術支援活動「アート・スコープ」は、日本とドイツのアーティストを交換して滞在制作を行い、その成果を合同展覧会で発表するというプログラム。2003年からは、原美術館がパートナーとなっている。今回から名称を「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」と改め、展覧会では過去の参加アーティストから1名がゲストとして出品するなど、装いを新たにする。
今回派遣・招聘されたアーティストは、東京を拠点に映像インスタレーションを制作する泉太郎と、ドイツ南部のシュトゥットガルトを拠点として映像・写真・モノタイプなどを制作するメンヤ・ステヴェンソンの2名。招待アーティストとしては、2003年の「アート・スコープ」に参加した写真家の佐藤時啓が出品する。
本展では、作風は異なるものの、3名ともカメラを持って街へ出て制作した新作を発表。泉は、ベルリン滞在中に撮影した素材を織り交ぜ、「どこかおかしい空間」をつくり出す映像作品を、ステヴェンソンは、今回初めて訪れた東京を散策し、異文化の伝統と現在にアイデアを見出した作品を発表。また佐藤は、90年代に撮影した東京の同じ場所をもう一度違う手法で撮影し、対照させた作品を発表する。
会期中には、出品作家3名が出演するアーティストトークや、出品作家による体験型のワークショップも開催される。