東京・清澄白河の東京都現代美術館で、グループ展「MOTアニュアル2027 身を通す」が開催される。会期は2027年2月20日〜5月30日。
「MOTアニュアル」は、現代美術の現在を見つめ、新たな視点を提示することを目的に同館が継続して開催してきたグループ展。第21回を迎える今回は、小林勇輝、ハラサオリ、乾真裕子、筒|tsu-tsuの4名が参加。武術や振付、歌唱、演技といった異なる身体的実践を通して、過去の記憶や他者の経験を捉え直す新作を中心に紹介する。
今回のテーマである「身を通す」は、過去や他者の経験を自らの身体に引き受け、世界との関わり方を組み替える行為を指す。言葉や記録だけでは捉えきれない感覚や知が、身体を介してどのように受け継がれ、変容していくのかを探る。

武術、振付、歌唱、演技。4名のアーティストが身体を通して記憶をたどる
本展に参加するのは、複数の表現領域を横断しながら活動してきた小林勇輝、ハラサオリ、乾真裕子、筒|tsu-tsuの4名。それぞれが武術の系譜や家族の歴史、民話の語り、他者の人生などを手がかりに、過去の記憶や経験と向き合ってきた。
この4名の制作過程では、聞き取りやフィールドワーク、資料調査といったリサーチに加え、自らの身体を通した探究が重ねられる。過去の出来事や他者の経験は、動きや声、身振りとして身体に取り込まれ、反復されるなかで異なるかたちへと変化していく。
本展では、こうした身体的な実践から生まれた新作を中心に、映像、インスタレーション、写真、ドローイングなど多様な表現を紹介する。記録された歴史を再現するだけではなく、身体を通して記憶に接近し、そこから新たな表現を生み出す4名の試みが展開される。


建築と身体が交差する。ガラージュが手がける展示空間
会場の空間構成を担当するのは、アーキテクト・コレクティブのガラージュだ。小田切駿、瀬尾憲司、渡辺瑞帆による同コレクティブは、建築を軸に映像やフィールドワークなどの領域を横断しながら、時間や身体との関係から建築を捉える活動を展開している。
本展では、作品を独立した展示物として配置するだけでなく、観客の動きや時間の経過によって、作品と空間がゆるやかに結びつく展示を構成する。鑑賞者が空間を移動し、作品と向き合う行為もまた、展覧会を経験するうえでの重要な要素となる。身体を主題とする作品と、それらを受け止める建築空間。両者の関係を通して、見ることにとどまらない作品体験のあり方を探る。
4名による共同パフォーマンスも。異なる身体表現が交わる場へ
会期中には、4名のアーティストによる実践にもとづくパフォーマンスのほか、共同制作によるパフォーマンスも発表される。
共同制作にあたっては、異なる背景や方法を持つ4名が対話と試行を重ね、それぞれの身体的な実践をひとつの表現へと結びつけていく。その過程には、池添俊が伴走。アーティストたちのあいだで交わされる言葉や身振りを記録し、映像作品として展示する。
完成した作品だけでなく、他者との関わりのなかで表現が形成されていく過程にも目を向ける本展。個々の身体に蓄積された記憶や経験が、他者の身体と交わることでどのように変化していくかの過程を問う。
























