ウーゴ・ロンディノーネ、日本初個展を京都・清水寺で開催。17体の石の人物像が「月の庭」と呼応【2/2ページ】

清水寺の歴史と呼応する僧侶の彫刻

 いっぽう、清水寺の西門のふもとには、青と白に彩られた僧侶の彫刻が設置される。青い頭部と白い身体を持つトーテムのような人物像で、粗い表面は自然の力によってかたちづくられたかのような印象を与える。

ウーゴ・ロンディノーネ《blue white monk》(2020)ブロンズ塗装 293 x 156.8 x 80 cm © Ugo Rondinone. Courtesy the Artist and Sadie Coles HQ, London

 作品は、同じ場所にある祥雲青龍像と並ぶかたちで展示される。清水寺の伝承では、青龍は観音菩薩の化身とされ、夜ごと音羽の滝に飛来して水を飲むと伝えられている。ロンディノーネは、運動や守護、変容を象徴する龍と、静止や観想、内省を体現する僧侶を対比させることで、異なる歴史や精神性が共存する関係を生み出そうとしている。

 ロンディノーネは今回の展覧会について、「日本で初めての展覧会を、自然と建築、そして宗教的な営みが何世紀にもわたって共存してきた清水寺で開催できることを、心から幸運に思います」とコメント。また、「静寂のかたち」では僧侶、人間の姿、太陽という3つの根源的な原型を結び合わせ、それぞれが物質的な世界と内面、目に見えるものと視覚を超えて感じ取るものとの関係を体現していると説明する。

 約1250年の歴史を持つ清水寺を舞台に、現代美術の彫刻や絵画を寺院の建築、庭園、宗教的な伝統と重ね合わせる本展。ロンディノーネが長年探求してきた自然と人間の存在、そして時間をめぐる思索を、京都の歴史的な空間のなかで展開する。