土佐尚子展「生成されるものたち」が京都市京セラ美術館・光の広間で開催。約40年にわたる「生成」の探求を追う

京都市京セラ美術館本館「光の広間」で、現代美術家・土佐尚子の個展「生成されるものたち」が開催される。会期は11月7日〜22日。

土佐尚子《Genesis Red》 

 京都市京セラ美術館本館「光の広間」で、現代美術家・土佐尚子の個展「生成されるものたち」が開催される。会期は11月7日〜22日。

 土佐は京都大学防災研究所特定教授であり、京都とニューヨークを拠点に活動している。1986年、MoMA「NEW VIDEO JAPAN」で国際デビュー。東京大学で工学博士号を取得後、MITアーティスト・フェローを経て、2005年より京都大学で教育研究に従事。文化の型を現代のテクノロジーを使って表現する「カルチュラル・コンピューティング」を提唱し、音・振動・流体・重力が生む自然の造形を探究。作品はMoMA、富山県美術館、建仁寺などに収蔵されている。

「カルチュラル・コンピューティング」の作例。雲の写真1000枚を使って、東洋の遠近法の三遠の遠近法を用いて制作した建仁寺奉納作品《雲の上の山水》
スピーカーによる音振動で、アシンメトリーないけばなの型を表現した《Sound of Ikebana》
2016年度文化交流使として《Sound of ikebana: Spring》を1ヶ月間毎夜上映

 今日、「生成」をめぐる議論は生成AIを中心に展開されるいっぽうで、土佐は1980年代から一貫して、感情、身体、音、自然現象、人工生命、カルチュラル・コンピューティングを横断しながら、「像」がいかに生み出されるのかという問いに取り組んできた。本展は、土佐が約40年にわたり探究してきた「生成」の軌跡を一望する展覧会となる。

土佐尚子《An Expression》
未生流笹岡家元とのコラボレーションで制作された《うつろひ》
《Genesis》の制作の様子

 会場では、MoMAに収蔵されている《An Expression》(1985)や初期のビデオアート作品《ECSTASY》(1986)をはじめ、《Sound of Ikebana》《Genesis》《うつろひ》といった2010〜25年の作品、そして新作《土佐琳派:気韻生動》へ至るまでの作品群が全4章にわたって展示。日本文化に蓄積されてきた生成的な知と現代のテクノロジーを接続し、筆を介さずに日本絵画は成立しうるのかという問いを通じて、絵画、映像、テクノロジーの境界を再考することを試みる。

新作の《音振動屏風:土佐琳派「風神」》(2026)
新作の音を可視化して表現した「気韻生動」シリーズ(30点のうち15点)

 なお、会期中の土日には、土佐とゲストによる対談プログラムを実施。こちらもあわせてチェックしてほしい。

会期中の対談プログラム一覧

編集部