千葉の市原湖畔美術館で、河口龍夫の個展「河口龍夫 関係─無関係 湖畔にて」が開催される。会期は10月17日〜12月20日。
新作インスタレーションや未発表作品を中心に構成
河口龍夫は1940年兵庫県生まれ。多摩美術大学絵画科を卒業後、60年代より「見えるもの」「見えないもの」、そしてそれらの関係性をテーマに、国内外で創作活動を展開してきた。教育者として多くの後進を育成するいっぽう、千葉県長生村にアトリエを構え、自身の制作も続けている。
主な受賞に第15回日本現代藝術振興賞(2008)、第58回毎日芸術賞(2017)など。主な国際展に「第10回日本国際美術展1970 人間と物質〈東京ビエンナーレ〉」(1970、東京都美術館ほか)、「Magiciens de la Terre(大地の魔術師)」(1989、ポンピドゥー・センターほか)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2003より継続参加)。主な個展に「関係─河口龍夫」(1997、千葉市美術館)、「河口龍夫─見えないものと見えるもの」(2007、兵庫県立美術館・名古屋市美術館 同時期開催)、「河口龍夫展 言葉・時間・生命」(2009、東京国立近代美術館)など。
本展は、市原湖畔美術館の建築空間と「高滝湖」という湖畔の環境に挑む新作インスタレーションと、千葉・房総のアトリエで育まれた未発表作品を中心に構成される。美術館のロケーションと固有の建築空間から触発されたサイトスペシフィックな作品群は、湖を望む展示室や個性的な構造を取り込み、光や風景、空間そのものが作品と静かに呼応する場を立ち上げ、鑑賞者の身体や視線を作品へと引き込んでいく。


また、房総のアトリエでの生活から生まれた未発表作では、身近な生物の営みや自らの脈動といった身体的な変化、積み重なる時間に焦点を当てる。小さな存在が刻む命の時間から、ジュラ紀や宇宙にまで連なる広大な時間を見つめる、河口独自の作品世界を覗く機会となる。
さらに本展は、生前に「創造としての批評」によって河口の思考を支え続けた美術評論家・中原佑介(1931〜2011)へのオマージュという側面も併せ持つ。あらゆる生命や物質、時間と向き合い、そのあいだに生じる「関係」を問い続けてきた河口の思考と、そこから広がり続ける表現の世界が立ち現れる。
なお、関連イベントとして、長年にわたり河口の創作を見つめ、図録への寄稿を重ねてきた社会学者・大澤真幸を迎える対談「河口龍夫×大澤真幸対談『現代芸術の使命』」も開催される。























