京都国立近代美術館で「ジュエリーは、誰を夢みる」展開催。戦後日本のコンテンポラリー・ジュエリーをたどる大規模展【2/2ページ】

出品作家は70名以上

 本展の出品作家は70名以上。オットー・キュンツリ、テッド・ノーテン、ウェンディ・ラムショウら海外の重要作家に加え、伊藤一廣、薗部悦子、いしかわまり、新里明子ら日本を代表する作家たちが名を連ねる。

オットー・キュンツリ ブローチ《スイス・ゴールド》

 なかでも注目されるのは、キュンツリによる《スイス・ゴールド》だ。金塊のように見えるブローチは、実際にはスイスチョコレートの紙箱で制作されたもので、ジュエリーに付与される富や権威の象徴性をユーモアと批評精神をもって問い直す作品として知られる。

テッド・ノーテン《Chisaka's Bag》

 また、ノーテンの《Chisaka's Bag》は、亡き妻が愛用していた指輪をアクリル樹脂に封入した作品であり、ジュエリーが個人の記憶や感情と密接に結びつく存在であることを示す。さらに、いしかわまりの《Love makes blind(愛は盲目)》や、新里明子の《Another Skin》など、アイデンティティやコミュニケーション、身体性をテーマとした作品も紹介される。

 本展は、「本当に似合うジュエリーとは何か」という問いから出発する。ブランドや資産価値ではなく、自らの感情や価値観を表現する手段としてジュエリーを捉え直しながら、その社会的・芸術的な可能性を考察する機会となりそうだ。

 なお本展は島根県立石見美術館(2027年3月20日~6月21日)、山梨県立美術館(2027年7月3日~8月29日)に巡回する。

いしかわまり《Love makes blind(愛は盲目)》
新里明子《Another Skin》

編集部

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