東京の八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアを舞台にした都市型アートフェスティバル「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2026」が開催される。会期は10月3日~10月26日。

「T3」は、技術(Technology)、才能(Talent)、寛容性(Tolerance)という3つの要素が交差する場所に文化が生まれるというコンセプトのもと、東京をアジアにおける写真文化のハブとして位置づけることを目的としている。
8回目の開催となる今年のテーマは「と(&)」。日本語においてもっとも小さな接続詞である「と」に着目し、「自分と他者」や「自然と都市」のような二項対立的な区切りではなく、事物を結びつけるための視点から世界の可能性を問い直すプログラムが展開される。24日間にわたり、屋内外の展示スペースを活用しながら世界各国のアーティストや主要文化機関のキュレーターが東京に集う。
蝶の移動から都市の影まで、見慣れた境界線を接続し直す
東京ミッドタウン八重洲でのメイン企画展では、アメリカ出身のルーカス・フォグリアが写真集『Constant Bloom』(2025)の収録作品を展示。


アフリカからヨーロッパへと移動する蝶の軌跡と、国境を越えて移動する人々の姿を重ね合わせた本プロジェクトを通し、自然と人間、生態系と政治的境界線をひとつの連続した風景として捉える試みを行う。
また、東京建物日本橋ビル+三栄ビルでは、オランダ出身のサラ・ファン・ライによる企画展も展開される。


ライはパリやニューヨーク、ソウルなどの都市を歩きながら通行人のシルエットや落ちた影を撮影し、詩的な物語へと編み上げてきた。本展ではその新たな舞台として東京の街を取り込む構成となる。
フランスの国際機関との協働や、モノの眼差しが捉える記憶
八重洲のTODA BUILDINGでは、写真芸術機関であるMaison Européenne de la Photographie(MEP)の若手支援プログラム「STUDIO」と連携した国際共同企画展「アントニー・ケアンズ、ピータン|STUDIO + 拡張する現代写真」を開催。


同展では、アントニー・ケアンズが古いトイ・ビデオカメラを用いて都市を捉えた映像プロジェクトを発表するほか、PIDANが石を情報へと変換するプロセスを表現した作品を展示する。

さらに、横浜美術館主任学芸員の大澤紗蓉子がキュレーションを務めるGallery & Bakery Tokyo8分での展示では、鈴木のぞみと上原沙也加が参加。事物が記録してきた風景の視覚化を試みる鈴木は《見沼代用水 通船堀をデザインした欄干の穴から 緑区 埼玉》(2023)などを出展。

上原は風景の細部から時間と出来事の痕跡をすくい上げる《沖縄県 豊見城市 瀬長》(2017)などの作品群を通じ、場所に刻まれた記憶の多面性を立ち上がらせる。
アジア圏のギャラリーが集結するフェアやブックマルシェも
期間中は展示に加え、写真の多様な回路をひらくプログラムが併催される。10月17日からは、アジア全域の写真の創造的な可能性を再考する写真フェア「T3 PHOTO ASIA」や、アーティストと出版者が直接作品を持ち寄る「T3 BOOK MARCHE」も行われる。

また、ポンピドゥー・センターのキュレーター、フロリアン・エブナーを招いたトークプログラムも予定され、批評からマーケット、出版にいたる写真を取り巻く生態系を多角的に提示する。































