インディペンデント・キュレーターのカトウチカによる展覧会シリーズ「Unknown」の第8回が「イメージ」をテーマに開催。今回はvoid+、HIGURE 17-15 casの2会場で、5名のアーティストによる連続個展が行われる。
参加作家とゲストは、山元彩香+光田由里(DIC川村記念美術館学芸員)+中村史子(愛知県美術館学芸員)、鈴木のぞみ +梅津元(埼玉県立近代美術館学芸主幹/芸術学)、庄司朝美+光田由里(DIC川村記念美術館学芸員)、横山奈美+飯田志保子(キュレーター)、三田村光土里+中尾拓哉(美術評論家)。
ゲストはトークイベントやテキストの執筆で参加予定となっており、展覧会は2019年11月~2021年にかけて順次開催される。
山元は言語による意思疎通が難しい状況下で、暴力的でありながら魅力的なイメージ生成の場と言えるポートレートを制作。鈴木は何気ない日常の事物に潜む潜像のような記憶の可視化を、写真の原理を通して試みてきた。また庄司はアクリル板を主な支持体として人間を描き、自由な身体感覚が循環するような絵画を制作する。
横山は捨てられる寸前の身の回りのものやネオン管の裏側に隠された器具や配線を描き、すべてのものに備わる美しさと存在意義を表現。近年は「LOVE」の意味を問いかける絵画とドローイングを発表している。そして三田村は「人が足を踏み入れられるドラマ」をテーマに、様々なメディアを組み合わせて私小説のような空間作品をつくり出してきた。
初回の山元彩香展「Organ」はvoid+で開催。本展ではあえて言葉が通じない国に出かけ撮影した写真作品と、Organ=空の器としての身体が歌い出す、言葉ではない歌を収めた新作の映像作品を展示する。会期は11月1日〜30日。
はからずも全員が女性アーティストとなったという本シリーズ。イメージが持つ力と本質を探ることを目指す連続展覧会は、どのような未知のイメージを描き出すのだろうか。