なお、本展ではこれらシリーズのなかから、初公開となる新作の展示を予定。とくに杉本のデビュー作として知られる「ジオラマ」では《ポコット族》などいくつかの新作を加えた構成により、1976年のシリーズの始まりからひそかに構想され、約半世紀をかけてついに実現した、人類史をめぐる深淵なストーリーが初めて提示されるという。
さらに、同館の所蔵品ギャラリー3階では同館が所蔵する杉本作品全点と、未公開資料「スギモトノート」をサテライト展示する。
本展のタイトルでもある「絶滅写真」とは、銀塩写真というメディアの終焉と自らの作家活動の終幕を見すえて浮上した主題だ。しかし本展で示される「絶滅」をめぐるヴィジョンはより広い意味を持つ。半世紀にわたって写真というメディアによる表現の可能性を拡張、深化させてきた杉本の作品世界の全体像を。「絶滅」というキーワードから見わたす展覧会となる予定だ。



















