美術家・杉本博司によって設立された、江之浦測候所を有する小田原文化財団が、世界各国のアート機関とともに「World Weather Network(ワールド・ウェザー・ネットワーク)」プロジェクトに参加することを発表した。
「World Weather Network」は、世界各国で問題となっている気候変動に対応するためのプロジェクト。ヨーロッパ各国、ドバイ、インド、ニュージーランド、韓国など世界29ヶ国のアート機関が参加し、各機関が設置する「ウェザーステーション」をつなぐものだ。
「ウェザーステーション」とは、アート機関が現地の気象を観測するために選定した特定の場所、建物、環境のことで、これらの「ウェザーステーション」からアーティストは様々な形式の作品を生み出し、それを「ウェザーリポート(気象報告書)」として発信する。
6月21日からの1年間、「ワールド・ウェザー・ネットワーク」の参加団体は、各地域の天候の観測結果、ストーリー、解析情報、画像などを共有。そこから新たに生まれる声や視点を発信するとともに、気候科学者や環境問題の専門家と連携し、多様な世界観と世界各地の気象について、地域、言語を横断してひも解いていくという。
小田原文化財団は江之浦測候所を拠点に参加し、測候所内にある「夏至光遥拝」や「冬至光遥拝」のライブ配信のほか、杉本のインタビュー映像などを公開していく予定。活動の第一弾として、6月21日の4時からは、夏至の日の出を同測候所で観測する「夏至光遥拝」をライブ配信する。