「杉本博司 絶滅写真」が東京国立近代美術館で開催。約20年ぶりの写真で構成される美術館個展【2/3ページ】

 本展は3つの章、全13 シリーズにより、時系列にゆるやかに沿いつつ杉本博司の作品世界の展開をたどるものだ。第1章「時間・光・記憶」では、1970年代から80年代に着手され、杉本の評価を確立することになった「ジオラマ」「劇場」「海景」の3つのシリーズなどにより、作品世界の始まりを紹介。

 第2章「観念の形」では、人間の知性や想像力がつくり出した様々な「かたち」を主題とした「観念の形」「スタイアライズド・スカルプチャー」など90年代末から展開されたシリーズにより、作品世界が拡張・深化していくプロセスを紹介する。

 第3章「絶滅写真」では、終焉を迎えつつある銀塩写真というメディアの始原にさかのぼる「前写真、時間記録装置」「フォトジェニック・ドローイング」から、近作「Opticks」まで、6つのシリーズにより、杉本が予見する「絶滅」をめぐるヴィジョンの行方を探る。