AIアートとエコロジーが融合。「Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地」がシャネル・ネクサス・ホールで開催【2/2ページ】

 本展では、海中2000メートル以深の世界を探る《liquid strata: argomorphs》(2025)、湧昇という地球規模の現象とAIの視覚言語を結びつけた《specious upwellings》(2022-2024)、遺伝情報とデジタルデータの構造を重ねた《self-contained》(2023-2024)、植物学と写真の歴史から着想を得た《temporally uncaptured》(2023-2024)、「存在しなかった自然史の本」をコンセプトにした《artificial natural history》(2020-2025)の5シリーズが紹介予定。

エンタングルド アザーズ specious upwellings 2022-2024 ©Entangled Others
エンタングルド アザーズ specious upwellings 2022-2024 ©Entangled Others
エンタングルド アザーズ self-contained 009.4 2023-2024
Art Singapore (credit Gazelli Art House) ©Entangled Others
ソフィア クレスポ temporally uncaptured 2023-2024 ©Sofia Crespo

 映像、彫像そしてデジタルインスタレーションなどの展示作品が見るものに投げかけるのは、いずれも、断片的なデータと仮説から世界を読み解こうとする科学的営みと、詩的な想像力との交点に立ち現れるヴィジョンだ。その作品においてテクノロジーを介して生成されたイメージは、自然の“代替物”ではなく、「人間が自然をどう見たいと願っているか」の深層を写し出すもの。現実世界の見え方を揺さぶるものとなるだろう。

編集部

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