東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスが、ポーラ銀座ビル15周年を記念した展覧会「マティス ― 色彩を奏でる」を開催する。会期は10月4日〜27日。
フランス北部に生まれたアンリ・マティス(1869〜1954)は20世紀を代表する画家のひとり。パリへ出て美術学校などで学んだ後、1905年のサロン・ドートンヌに原色を多用した荒々しい筆致による作品を出品し、「フォーヴ」(野獣)と評された。1917年以降は制作の拠点をニースへと移し、地中海の明るい光のもと、あざやかな色彩によって室内の女性像を数多く制作。晩年には、戦争や自身の病といった困難のなか、油彩画やドローイングに加えて切り紙絵の手法を採り入れて意欲的に作品を制作し、挿絵本『ジャズ』やロザリオ礼拝堂の装飾プログラムなど、精力的な活動を見せた。日本ではここ2年で「マティス展」(東京都美術館、2023)、「マティス 自由なフォルム」展(国立新美術館、2024)が開催され、大きな注目を集めたことはい記憶に新しい。
その独自の色彩感覚から“色彩の魔術師”と呼ばれるマティス。本展では、マティスが生涯を通して描き続けた室内画の名品、ポーラ美術館収蔵の《リュート》をはじめとした絵画5点と、晩年の傑作と言われる『ジャズ』(全20図)が展示される。
なお会期中は、赤ちゃんとの鑑賞会や、認知症の方を含む高齢者を対象にした対話型鑑賞会などのプログラムも開催。また、切り絵アーティストの福井利佐を講師に招いたワークショップも実施予定だ。