もうすぐ閉幕
東京藝術大学と中国人留学生〜李叔同から現代まで〜展(東京藝術大学大学美術館)
8月11日まで、東京藝術大学大学美術館 陳列館において「東京藝術大学と中国人留学生〜李叔同から現代まで〜」展が開催されている。
本展は、旧東京美術学校・旧東京音楽学校時代からの中国人留学生の歴史を探るもの。これらの卒業生の軌跡を紹介し、彼らが日中友好の架け橋として果たしてきた役割を明らかにしながら、同校の歴史と日中間の文化交流を振り返り、未来につなげることを目指している。
本展の中心人物となるのは、1906年に東京美術学校に入学し、1911年に卒業した李叔同(李岸)。李は、中国帰国後に絵画、演劇、音楽分野の発展に大きな影響を与えた。その後出家し、中国で弘一大師として知られるようになった。本展では、彼の世界で現存する唯一の自画像作品と在学中の大学記録文書を公開する。
会期:2024年8月3日〜11日
会場:東京藝術大学大学美術館 陳列館1,2階
住所:東京都台東区上野公園12-8
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00-18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:無料
「大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」(大倉集古館)
大倉集古館で、特別展「大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」が8月12日まで開催されている。
フランスを拠点に活動した建築家ル・コルビュジエ(1887~1965)は、7か国にある17資産がユネスコの世界文化遺産に登録されるなど、20世紀を代表する重要な建築家として高く評価されているが、同時に数多くの美術作品を残したアーティストとしても知られている。
本展では、大成建設ル・コルビュジエ・コレクションの中から約130点の作品を展示。本コレクションの素描やパピエ・コレ作品がまとまって公開されるのはおよそ30年ぶりのことだという。建築を含めたル・コルビュジエのすべての創作活動の根底にあった、彼の絵画への情熱を体感してほしい。
会期:2024年6月25日~8月12日
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3
電話:03-5575-5711
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
観覧料:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料
「2024 イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展」(板橋区立美術館)
板橋区立美術館で「2024 イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展」が開催されている。
イタリアのボローニャで開催される国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」にともない開催される本展は、児童書のトレンドや今後の動向を展観できるものであり、新人イラストレーターたちの登竜門としても知られている。58回目となる本年は81の国と地域から3520名の応募があり、日本人4名を含む32の国と地域の78名が入選した。
本展では、その全入選作品を一堂に展示。多彩な表現やテーマ、技法からなる作品を鑑賞することができる。また特別展示として、2023年に「ボローニャSM出版賞」を受賞したアンドレア・アンティノーリによる新作絵本の原画も展示。
会期:2024年7月2日~8月12日
会場:板橋区立美術館
住所:東京都板橋区赤塚5-34-27
電話:03-3979-3251
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月、7月16日(7月15日、8月12日は開館)
観覧料:一般 650円 / 高校・大学生 450円 / 小学・中学生 200円
今週開幕
「田名網敬一 記憶の冒険」(国立新美術館)
デザイナーとしてキャリアをスタートさせ、60年代から現在に至るまで幅広いジャンルを横断し、独自の地位を築いてきたアーティスト・田名網敬一。その世界初の大規模個展「田名網敬一 記憶の冒険」が国立新美術館で幕を開けた。会場レポートはこちら。
田名網は1936年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。在学中にデザイナーとしてデビューし、75年には日本版月刊『PLAYBOY』の初代アートディレクターを務めるなど、早くから雑誌や広告を主な舞台に、日本のアンダーグラウンドなアートシーンを牽引してきた。また60年代からはデザイナーとして培った方法論・技術を駆使し、絵画、コラージュ、立体作品、アニメーション、実験映像、インスタレーションなどを制作。アートディレクター、グラフィックデザイナー、映像作家など、そのジャンルを横断した類まれな創作活動により、他の追随を許さない地位を築いてきた存在だ。
今年米寿を迎えた田名網にとって世界初の大規模回顧展となる本展は、そのタイトルのとおり「記憶」という言葉をキーワードに作品をたどることで、田名網の半世紀以上にわたる創作活動の全貌に迫ろうというもの。2000年代以降の田名網の根幹にあるのが、自身の記憶の曼荼羅とも言える大画面の作品だ。戦闘機から金魚、松などに至るまで、膨大なモチーフがコラージュされるこのシリーズは平面・立体の双方に及んでおり、尽きることを知らない田名網の制作意欲が存分に感じられる。
会期:2024年8月7日~11月11日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 2000円 / 大学生 1400円 / 高校生 1000円 / 中学生以下無料
「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」(ワタリウム美術館)
公共空間や路上を舞台としたアートプロジェクトを展開するアートチーム・SIDE COREの大規模個展「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」が、東京・外苑前のワタリウム美術館で開催される。会期は8月12日〜12月8日。
SIDE COREのメンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志、映像ディレクターとして播本和宜が参加している。公共空間におけるルールをひも解き、思考の転換、隙間への介入、表現やアクションの拡張を目的に、ストリートカルチャーを切り口として「都市空間における表現の拡張」をテーマに屋内・野外を問わず活動を続けてきた。
その作品は高速道路や線路、地下水路などを舞台とした映像や、公共空間で見られる街灯やガードレール、道路工事のサインなどを素材としたインスタレーション、ネズミの人形がただただ夜の東京を歩くドキュメント映像な多岐にわたる。都市の公共性や制度に着目し、これに介入/交渉するその表現は拡張を続けている。
会期:2024年8月12日〜12月8日
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
電話番号:03-3402-3001
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月(8月12日、9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)
料金:大人 1500円 / 学生(25歳以下)・高校生 1300円 / 小・中学生 500円
「藤本壮介展―太宰府天満宮仮殿の軌跡―」(太宰府天満宮宝物殿 企画展示室)
福岡・太宰府市の太宰府天満宮宝物殿で、8月10日から「藤本壮介展―太宰府天満宮仮殿の軌跡―」が開催される。
太宰府天満宮は「菅原道真公1125年 太宰府天満宮式年大祭」を2027年に控え、重要文化財「御本殿」の124年ぶりの大改修のため、2023年5月より参拝者を「仮殿」に迎えている。この仮殿の設計を担当したのが、建築家・藤本壮介率いる藤本壮介建築設計事務所だ。
未来を志向する独創的な建築となったこの「仮殿」が実現するまでの軌跡を、初展示となる図面や模型、写真を通してたどる展覧会だ。
会期:2024年8月10日~2025年8月31日
会場:太宰府天満宮宝物殿 企画展示室
住所:福岡県太宰府市宰府4-7-1
電話番号:092-922-8551
開館時間:9:00~16:30
休館日:月(8月12日、9月16、23日、10月14日、11月4日、25日、2025年1月6日、13日、2月24日、4月28日、5月5日、7月21日、8月11日、25日を除く)
料金:一般 500円 / 大学・高校生 200円 / 中学・小学生 100円
magma「TRICK HEARTS」(PARCO MUSEUM TOKYO)
PARCO MUSEUM TOKYOで、magmaによる展覧会「TRICK HEARTS」が開催される。
magma(マグマ)は、杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニットとして2008年に結成。廃材や樹脂、電動器具などを組みあわせ、独自の世界観と手法でアウトプットを施す。これまでの活動は作品制作にとどまらず家具、プロダクト、小道具、舞台美術、空間ディレクションなど多岐にわたる。
本展はおよそ7年ぶりの大規模個展。タイトル「TRICK HEARTS」は、古くからあるトリックアートの表現形式を、アイロニカルなアナログ感とクレイジーな色彩が融合したmagmaならではのフィルターを通した新しい解釈を意味する。さらに会場では新作群に加え、本展にあわせて国内外9組の作家やブランドがmagmaとのコラボレーション作品を公開。
会期:2024年8月10日~9月2日
会場:PARCO MUSEUM TOKYO
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 4階
電話:03-6455-2697
開館時間:11:00~21:00(入場は閉場30分前まで) (最終日は〜18:00)
観覧料:無料
「虫展」(市立伊丹ミュージアム)
市立伊丹ミュージアムで、夏の特別展として「虫展」が8月9日より開催されている。
古来より日本の人びとにとって小さく儚い「虫」は身近な存在だった。「虫」は日本列島のもつ豊かな自然環境の写し鏡であると同時に、生活のなかに深く息づくものとして、人びとの感性と文化を形成してきた。いっぽうで「虫」たちは人びとの暮らしに利活用され、さらには神仏のように崇められ、化け物として畏れられてきた。
本展では、この日本の文化と歴史のなかに様々なかたちで登場する「虫」について、江戸時代を中心とする美術・工芸・俳諧・歴史の多彩な分野の作品資料約140点を通して紹介する。日本の人びとが「虫」についてどのように認識し、研究し、愛でてきたのかを多角的に知るとともに、多種多様な「虫」の奥深さを知る機会となるだろう。
会期:2024年8月9日~9月29日
会場:市立伊丹ミュージアム
住所:兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20
「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」(三井住友銀行東館)
ヘラルボニーが主催する国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024」の受賞作品展が8月10日〜9月22日に開催される。
ヘラルボニーは国内外の主に知的障害のある作家の描く2000点以上のアートデータのライセンスを管理し、ビジネスへと展開している企業。「HERALBONY Art Prize 2024」は、ヘラルボニーが障害を持つ作家の才能を評価し、活躍の道を切り開いていくために創設した賞だ。今回のグランプリは浅野春香《ヒョウカ》が受賞した。
本賞の受賞作品展が三井住友銀行東館1階のアース・ガーデンで開催される。グランプリ作品のほか企業賞受賞作品、審査員特別賞受賞作品および最終審査進出作品として総勢58名の作家による全62作品を展示。世界11カ国から、海外作家20名、国内作家38名による多様な作品を見ることができる。
会期:2024年8月10日〜9月22日
場:三井住友銀行東館 1F アース・ガーデン
住所:東京都千代田区丸の内1-3-2
開館時間:10:00~18:00
休館日:会期中無休
料金:無料