2024.3.13

写真家・上田義彦の展示がGallery & Restaurant 舞台裏で開催へ

写真家・上田義彦の展示が、小山登美夫ギャラリー協力のもと、麻布台ヒルズのGallery & Restaurant 舞台裏で開催される。会期は3月22日〜4月14日。

©︎Yoshihiko Ueda
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 アート写真、広告写真というカテゴリーを超え、40年以上第一線でシャッターを切り続けてきた写真家・上田義彦(1957〜)。その個展が、小山登美夫ギャラリー協力のもと、麻布台ヒルズのGallery & Restaurant 舞台裏で開催される。会期は3月22日〜4月14日。

 上田は、兵庫県出身。写真家・福田匡伸、有田泰而に師事したのち、1982年に独立。サントリーウーロン茶の広告やファッション誌のポートレイトなどで知られており、国内外の代表的な国際デザイン賞を多数受賞。2014年には日本写真協会 作家賞を受賞してきた。そして同年より多摩美術大学グラフィックデザイン科教授を務める。11年~18年には、自身のスペースGallery 916を主宰し、写真展企画、写真集の出版プロデュースを行う。21年には初めて脚本、監督、撮影を手がけた映画作品「椿の庭」が公開された。

 本展は、そんな上田による果物の作品シリーズ(1987)を経て、昨年改めて新たに果物を撮影した作品を発表するものとなる。30年以上の時を越えてとらえ直されるモチーフは画面のなかで独自の世界観を生み出しており、それらはまるで果物のポートレートのように感じられるだろう。

 サントリーウーロン茶の広告やファッション誌のポートレイトなど、そのキャリアはコマーシャル・フォトの文脈で語られることも多いだろう。しかし、上田の作品を広告か/アートかという二項対立によって切り分けることはできない。そこに現前するのは、「いま」と地続きの暮らしの中にあらわれる決定的瞬間を切り取った、まなざしのコレクションである。時には絵画的な手法で被写体をとらえる上田の写真は、その普遍的な美をもって、鑑賞者の心の奥深くに訴えかける。
 この場所は決して美術館ではなく、従来のアートギャラリーでもない。作品を見ながらワインを楽しみ、誰かと語り合うという自然かつ有機的な営みが、この空間をユニークなものにしている。ライフワーク的ともいえる上田の作品にこの「舞台」で出会うことによって、観るものの心に新たな物語の種が芽生えることを期待したい(プレスリリース「主催者コメント」より一部抜粋)。
©Yoshiko Kojima
Gallery & Restaurant 舞台裏