上田義彦は1957年生まれ。広告写真の第一線で活動しながら、自身の作品も数多く世に送り出してきた。おもな写真集にアメリカインディアンの神聖な森を撮影した『QUINAULT』(京都書院、1993)、前衛舞踏家、天児牛大のポートレイト集『AMAGATSU』、30有余年の活動を集大成した『A Life with Camera』などがある。
今年3月、上田が写真を担当した『晴れの日本料理 青草窠のひと刻』(求龍堂)が刊行された。著者は東京・天現寺の日本料理店「青草窠(せいそうか)」のオーナーである永坂早苗、装幀は葛西薫。料理の写真と、源氏物語や枕草子といった古くから伝わる詩歌・散文で日本の文化をつづっている。
本展「晴れの日本料理 -青草窠のひと刻- The seasonal Beauty of Japanese Cuisine」では、同書のオリジナル写真を展示。上田が光と影の中でとらえた四季折々の料理とその周辺で、日本の一年をめぐることができる内容となっている。