ペロタン東京で、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、ニック・ドイルの日本初となる個展「American Blues」が開催される。会期は3月6日〜4月27日。
ドイルは1983年ロサンゼルス生まれ。現在はブルックリン在住。デニムをコラージュした彫刻的な壁面作品で知られるドイルは、アメリカ文化とその文物の語彙を浸透させることで、欲望や過剰さ、有害な男性性を検証している。ロードトリップを作品への入り口とし、アメリカの国民的アイデンティティを構成する徹底的個人主義の持続に疑問を投げかけている。
ドイルは機械的なミニチュア、演劇的な風景、風刺的な小道具のようなデニム作品などを通して、ノスタルジアの危険性と消費主義との進化する関係を描き出している。自動販売機、タイプライター、タバコの箱などの一見無害なビジュアルや、藍と綿といった素材は、アメリカの植民地主義と消費主義を物語るとともに、メディアが世界的な貿易システムに与える影響を探求し、現代の生活や視覚文化にしばしば見られる社会的・政治的な意図を考察・批評している。
本展では、ドイルが巨大なデニム作品と不気味な立体作品を発表。また、ギャラリーでの個展にあわせて、同時期に開幕するアートフェア東京2024ではドイルによる個展も行われる。