再開発が続く東京・虎ノ門エリア。ここで11月13日から2024年1月8日まで、虎ノ門ヒルズおよび新虎通りエリアで都市回遊型アートイベント「TORANOMON LIGHT ART」が開催される。主催は森ビルと新虎通りエリアマネジメント協議会、一般社団法人新虎通りエリアマネジメント、新虎通りエリアプラットフォーム協議会。
このイベントは、オランダ・アムステルダムのフェスティバルである「Amsterdam Light Festival」を運営するLight Art Collection(LAC)とパートナーシップを結び、実施されるもの。アーティストや建築家、プロダクトデザイナーが手がける光を使用した芸術作品=ライトアートが虎ノ門の街の各所に展示される。
例えばtudio Toerの《Firefly Field》は、芝生の広場に、無数の光が宵闇を飛び交うインスタレーション。生物発光(bioluminescence)によって闇に輝くホタルにインスピレーションを受けた作品で、透明なカプセルに収めた LED の光がシンプルな動力で予測不能に動きまわるというものだ。
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UxU Studioの《Tornado》は自然界における破壊的な現象「竜巻」を光で表現したインスタレーションで、都市に突如として現れる光の竜巻が巻きあがっていく様子は、来たる「人新世」を問いかける。
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laa minawiの《My Light Is Your Light》は、6人の等身大の人物像をライトで出現させたもの。これらははるか遠くからたどり着いた「難民」たちを表現しているという。
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Gali May Lucasの《Absorbed by Light》は3人の人物がベンチに並んで座り、スマートフォンを操作する人々の典型的な特徴を表現した作品。この人物たちの間に座ることで、こうした人たちが他者にどのような影響を与えているかを問いかけている。
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また虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの建築をデザインした重松象平 / OMA NYによる特別インスタレーション《Five Stars》も展示。人、水、自然光、電車、車などの「動き」が集約されるアトリウムに浮遊するモビールは、変わりゆく空気や光の動きを可視化する。
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森ビルは、このエリアで新たに開催されるアートイベントをきっかけに、地域全体のさらなる活性化を目指すとしている。街を回遊しながらライトアートを鑑賞できる、ほかにはないものになりそうだ。
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