ゴッホからエコロジー展、モネまで。今週末に見たい展覧会ベスト6

今週開幕・閉幕する展覧会から、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」展示風景より、左から殿敷侃《山口―日本海―二位ノ浜 お好み焼き》関連資料(1987)、谷口雅邦《発芽する?プリーズ!》(2023)

ゴッホは何を変えたのか。「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展(SOMPO美術館

展示風景より、フィンセント・ファン・ゴッホ《アイリス》(1890)

 東京・新宿のSOMPO美術館で、同館を象徴する《ひまわり》を起点にフィンセント・ファン・ゴッホと西洋絵画の巨匠たちの静物画を紹介する展覧会「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展が開幕した。レポート記事はこちら。

 本展は2020年、同館移転後の開館特別企画展として予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大のため中止となり、3年の延期を経て、このたび晴れて開催となったもの。17世紀オランダから20世紀初頭まで、ヨーロッパの静物画の流れのなかにゴッホを位置づけ、ゴッホが先人たちから何を学び、それをいかに自らの作品に反映させ、さらに次世代の画家たちにどのような影響を与えたかを探る展覧会となっている。

会期:2023年10月17日~2024年1月21日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(11月17日、12月8日〜20:00) ※最終入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし1月8日は開館)、年末年始(12月28日~1月3日)
料金:一般 2000円(1800円) / 大学生 1300円(1100円) / 高校生以下無料※日時指定予約制、()内は日時指定料金。高校生、無料入場対象者も日時指定予約推奨

新スペースのこけら落とし。「KOHEI NAWA | Sandwich『Cell Field』」(京都 蔦屋書店

展示風景より

 1946年に四条に出店として以来、長きに渡り親しまれてきた髙島屋京都店が10月17日、増築された専門店ゾーン「T8」とあわせて「京都髙島屋S.C.」として新たなスタートを切った。同館5〜6階を占める京都 蔦屋書店では、名和晃平と名和が代表を務める制作スタジオ/プラットフォーム「Sandwich」による展覧会が開催中だ。

 複数の展示スペースを有する京都 蔦屋書店のなかで最大面積を誇るギャラリーでの開催となる本展。会場には、油絵具を⽤いた数ヶ月間かけて変化するペインティング「Cell Field」シリーズや、物理シミュレーションによってセルの状態をあらわした版画シリーズなどに加え、UVプリントを用いた平面のほか、テストピースやマテリアルサンプル、各種資料も展示。Sandwichの雰囲気を伝える充実の内容となっている。京都 蔦屋書店のレポートはこちら

会期:2023年10月17日~11月7日
会場:京都 蔦屋書店 5階 エキシビションスペース
住所:京都府京都市下京区四条通寺町東入二丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8] 
開館時間:11:00~20:00 ※最終日のみ〜18時
料金:無料

地球が今日抱えている様々な課題を現代アートで問いかける。「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」(森美術館

展示風景より、保良雄《fruiting body》(2023)

 すべての人類の家=地球が今日抱えている、気候変動や環境問題をはじめとする様々な課題を現代アートで問いかける展覧会「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」が、東京・六本木の森美術館で始まった。企画はマーティン・ゲルマン(森美術館アジャンクト・キュレーター)と椿玲子(森美術館キュレーター)。

 展覧会は、「全ては繋がっている」「土に還る」「大いなる加速」「未来は私たちの中にある」の4章で構成。第1章では、「エコロジー」を地球上の生物や非生物、商品、データ、廃棄物などあらゆるものの循環やつながりのプロセスとしてとらえ、このプロセスを様々なかたちで表現する作家たちの作品が並ぶ。展覧会レポートはこちら

会期:2023年10月18日~2024年3月31日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~22:00(火~17:00、ただし1月2日、3月19日は〜22:00、10月26日は〜16:00)
休館日:会期中無休
料金:[平日]一般 2000円 / 高校・大学生 1400円 / 4歳~中学生 800円 / 65歳以上 1700円
[土・日・休日]一般 2200円 / 高校・大学生 1500円 / 4歳~中学生 900円 / 65歳以上 1900円

グッチのクラフツマンシップが織りなす世界へ。「GUCCI VISIONS」(グッチ銀座ギャラリー)

展示風景より

 今年6月にオープンしたグッチ銀座上層階の「グッチ銀座 ギャラリー」にて、展覧会「GUCCI VISIONS」が開幕した。会期は2024年春まで。 

 「GUCCI VISIONS」はイタリア・フィレンツェで開催された巡回展。イタリアを代表するラグジュアリーブランド「グッチ」の102年におよぶ歴史を展望し、そのシグネチャーアイテムやアイコニックなモチーフ、そして唯一無二のクリエイションを築き上げてきた歴代のクリエイティブ・ディレクターや職人たちの才能にオマージュを捧げる展覧会だ。

会期:2023年10月19日〜2024年春
会場:グッチ銀座 ギャラリー
住所:東京都中央区銀座4-4-10 グッチ銀座6-7階
開館時間:11:00〜20:00 
休館日:グッチ銀座に準ずる
料金:無料(予約不要)

モネの作品だけ。「モネ 連作の情景」(上野の森美術館

クロード・モネ ジヴェルニーの積みわら 1884 キャンバスに油彩 ポーラ美術館

 第1回印象派展が開催されてから150年の節目を迎えることを記念し、東京の上野の森美術館で「モネ 連作の情景」が10月20日に開幕。

 本展は、クロード・モネの代表作である《積みわら》や《睡蓮》などをモチーフとした「連作」に焦点を当てながら、時間や光との対話を続けた画家の生涯をたどるもの。会場は「第1章 印象派以前のモネ」「第2章 印象派の画家、モネ」「第3章 テーマへの集中」「第4章 連作の画家、モネ」「第5章 『睡蓮』とジヴェルニーの庭」の全5章で構成され、印象派以前の作品であり日本初公開となる《昼食》を含む、国内外のモネの代表作60点以上が一堂に会する機会となる。

会期:2023年10月20日~2024年1月28日
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
開館時間:9:00〜17:00(金土祝〜19:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:2023年12月31日、2024年1月1日
料金:[平日] 一般 2800円 / 大学・専門学校・高校生 1600円 / 中学・小学生 1000円、[土日祝日] 一般 3000円 / 大学・専門学校・高校生 1800円 / 中学・小学生 1200円 ※日時指定予約推奨

建築の実スケールを体感。「入るかな? はみ出ちゃった。~宮本佳明 建築団地」(宝塚市立文化芸術センター)

 宝塚市立文化芸術センターで、「入るかな? はみ出ちゃった。~宮本佳明 建築団地」が10月22日まで開催されている。

 展示される作品は、『建築とは記憶の器である』という考えにもとづいてこれまで宮本が設計してきた建築から、住宅、寺院、美容室、モニュメントなど多岐にわたる。例えば、宝塚市内、武庫川の右岸側に位置する宮本の事務所は、「ゼンカイ」ハウスと名付けられて 「震災の記憶」を留めている。この 「ゼンカイ」ハウスは宝塚100選に選出され、宝塚市のランドマークであり、日本中の建築家が見学に訪れている。本展では、そうした建築作品群のそれぞれ一部分を原寸大の模型で紹介するもの。鑑賞者は会場内で建築の実スケールを体感し、部分から総面積2,400㎡に及ぶ全体像への想像を巡らせることだろう。

会期:2023年9月16日~10月22日
会場:宝塚市立文化芸術センター
住所:兵庫県宝塚市武庫川町 7-64
電話番号:0797-62-6800
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:水
料金:一般 1000円 / 中学生以下無料

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