京都を舞台にした新たな村上隆の世界に注目。「村上隆 もののけ 京都」が京都市京セラ美術館で開催へ

　日本を代表する現代美術家として世界的な知名度を誇る村上隆。その個展「村上隆 もののけ 京都」が京都市京セラ美術館 東山キューブで開催される。会期は2024年2月3日〜9月1日。

　村上隆は1962年東京都生まれ。アーティスト、キュレーター、コレクター、映画監督、有限会社カイカイキキ創業者といった様々な顔を持つ。93年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士論文は『美術における「意味の無意味の意味」をめぐって』で、同大日本画科初の博士号取得者となった。日本美術の平面性とアニメーションなどの現代文化を接続させた「スーパーフラット」セオリーの提唱者であり、日本を代表する現代美術家として国際的なアートシーンでも高い評価を得てきた。

　本展は、京都市美術館開館90周年を記念し開催されるもの。江戸時代に絵師たちが活躍した京都に深い関心を持ち、インスピレーションを得てきた村上にとって国内で8年ぶりとなる個展であり、東京以外で開催される初めての大規模個展でもある。

　現在村上は、《かわいい夏休み（黄金の王国の夏休み）》（2008）や「光琳」シリーズ（2014, 2015）など、日本美術に着想を得た作品の本展特別バージョンを制作中であるとともに、京都とその歴史を参照した数々の新作を構想。伝統と都市の活気とが交差する京都を舞台にした、村上の新たな世界に注目が集まるだろう。