現実と非現実の境界を描く。「野又 穫 Continuum 想像の語彙」が東京オペラシティ アートギャラリーで開催へ

現実と地続きにある非現実のような独特な世界を描く画家・野又穫。その東京オペラシティ アートギャラリーの企画展示室では初となる個展「野又 穫 Continuum 想像の語彙」が、7月6日〜9月24日の会期で開催される。

野又穫 Forthcoming Place-5 来たるべき場所 5 1996 キャンバスにアクリル絵具 162.2 x 97.2cm 作家蔵

 現実と地続きにある非現実のような独特な世界を描く画家・野又穫(1955〜)。その東京オペラシティ アートギャラリーの企画展示室では初となる個展「野又 穫 Continuum 想像の語彙」が、7月6日〜9月24日の会期で開催される。

野又穫 Arcadia-24 永遠の風景 24 1988 キャンバスにアクリル絵具 91.0 × 60.6cm 東京オペラシティ アートギャラリー蔵 撮影=早川宏一

 野又は東京藝術大学でデザインを学んだのち、広告代理店のアートディレクターとして勤務するかたわら絵画を制作。1986年に佐賀町エキジビット・スペースでの個展を皮切りに、いくつかの個展を開催して作家活動に専念することとなり、以降「知る人ぞ知る」作家として熱心なファンの注目を集めてきた。東京オペラシティ アートギャラリーのコレクション寄贈者・寺田小太郎も野又作品のファンであり、1980年代より毎年作品を収集。現在では代表作40点あまりが収蔵されている。 

 そんな野又は2020年、イギリスの有力ギャラリー、ホワイト・キューブにてオンライン個展が開催されたのちに、同ギャラリーに所属。一躍世界を舞台とする作家となった。そのきっかけとなったのは、04年に来日した同ギャラリーディレクターが東京オペラシティ アートギャラリーで野又の個展を観たことがきっかけとなっている。

 本展では、同館のコレクションや作家所蔵のものを含む、初期から最新作までを一堂に展示。野又作品の全貌が総覧されるとともに、ひとりのコレクターと作家の関係から始まったこのストーリーも、展示を通じて伝わってくる内容となるだろう。

野又穫 Alternative Sights-2 2010 キャンバスにアクリル絵具 120.3 × 162.1cm 作家蔵 撮影=小暮徹
野又穫 Land-Escape 10 境景 10 1992 キャンバスにアクリル絵具 65.4 × 130.5cm 東京オペラシティ アートギャラリー蔵 撮影=早川宏一

編集部

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