東京・立川のPLAY! MUSEUMで、ルース・S・ガネットが文を、ルース・C・ガネットが挿絵を手がけた物語シリーズ「エルマーのぼうけん」の原画や人形を展示する展覧会「エルマーのぼうけん」展が開催される。会期は7月15日〜10月1日。
「エルマーのぼうけん」は、どうぶつ島にとらわれたりゅうの子を助けに行く、9才の男の子エルマーの冒険物語。1948年から51年にかけて『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』(文 ルース・S・ガネット、挿絵 ルース・C・ガネット、日本語版は福音館書店刊)の 3冊の物語がアメリカで出版された。
ルース・S・ガネットは1923年ニューヨーク生まれで、幼い頃から物語を考えるのが好きだったという。22歳のときに書き始めた『エルマーのぼうけん』を1948年に出版。挿絵は義理の母で挿絵画家のルース・C・ガネットが手掛けた。『エルマーのぼうけん』は1948年、当時ニューベリー賞と並んで権威のあった、ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン春の児童図書賞を受賞し、翌年には、ニューベリー賞オナーブックにも選ばれました。各国で翻訳され、日本では累計700万部を超すベストセラーとして広く愛されてきた。
本展では、アメリカ・ミネソタ大学図書館のカーラン・コレクションが所蔵する約130点の原画を日本初公開。70年以上前に描かれた色鮮やかな表紙や地図、鉛筆による細密な挿絵などが展示される。また、S・ガネットが所蔵する手づくりの本の原型となった3冊のダミー本やイラスト、挿絵を描くためにつくったりゅうの人形など、貴重な制作資料も初公開される。
また、会場は絵本の世界に入り、主人公・エルマーになったような気分で楽しむことができる構成になる予定だ。4つの作中の名シーンを、光や映像、立体造作による演出によって再現し、その冒険を体験することができる。さらに動物たちの鳴き声、りゅうが羽ばたき空を飛ぶ音、洞穴から脱出するりゅうたちの大さわぎがなどを、音響メーカー・オーディオテクニカの協力で実現する。加えて、S・ガネットが幼い頃に物語や絵を書いたノート、自作の小さなオブジェ、写真などを展示し、その創作の原点も探るものとなる。
さらに会場内には「ぼうけん図書館」が開かれ、世界中の「ぼうけんの書」を紹介。冒険家、写真家、学者、スポーツ選手、絵本作家や文学者など、挑戦をする人々がおすすめする本が並ぶという。