日本初、イッタラの大規模展覧会。140年の軌跡を450点以上の作品でたどる

フィンランドを代表するライフスタイルブランド「イッタラ」。1881年にフィンランド南部のイッタラ村に設立されたガラス工場からスタートした同ブランドを本格的に紹介する日本初の展覧会「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」が、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。会期は9月17日〜11月10日。

アルヴァ・アアルト アアルト・ベース 1936-1937 (C)Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman

 フィンランドを代表するライフスタイルブランドとして知られ、世界中の人々を虜にする「イッタラ」。その創立140周年を記念し、日本で初の大規模展覧会「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」が、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。会期は9月17日〜11月10日。

《アメリコンスカ》型ガラス(1913) ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman
ティモ・サルパネヴァによる《ヒーデンニュルッキ(悪魔のこぶし)》と《ヒーデンケフト(悪魔のゆりかご)》(1951) ©Design Museum Finland, Photo: Pietinen

 イッタラは1881年にフィンランド南部のイッタラ村に設立されたガラス工場からスタートしたブランド。アルヴァ・アアルトやカイ・フランクらフィンランドデザインの発展を牽引した建築家やデザイナーとともに歩み、《アアルト・ベース》や《カルティオ》コレクション、《バード・バイ・トイッカ》シリーズなど、数多の名作を世に送り出してきた。

オイバ・トイッカによる《バード バイ トイッカ》コレクション ©Iittala
ロナン&エルワン・ブルレックによる《ルーツ》コレクション 2015 ©Ronan and Erwan Bouroullec

 イッタラの特徴は、美しさと機能性をすべての人に提供するという思想だ。そしてその思想をもとにつくられたプロダクトが、世界中で愛され続けているということはごく自然のことなのかもしれない。

 ひとつのブランドとしての存在にとどまらず、近代社会の発展をも反映しつつフィンランドデザインの象徴となったイッタラの歩みにアプローチする本展は、フィンランド・デザイン・ミュージアムが2021年に開催した展覧会を再構成したもの。

ティモ・サルパネヴァ マルセル 1993 ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman
タピオ・ヴィルカラ フォレスト 1963 ©Design Museum Finland, Photo: Ounamo

 さらに日本展では、イッタラと日本の関係に焦点を当てた章が追加されることもポイントだ。イッタラを代表するデザイナーのカイ・フランクは日本文化に影響を受けたことでも知られ、イッタラと日本は浅からぬ関係性を築いてきた。21世紀に入ると、イッタラは国際的なデザインブランドとして複数の日本人デザイナーや建築家とのコラボレーションを実現。「ミナ ペルホネン」の皆川明や建築家・隈研吾の撮り下ろしのインタビュー映像とともに、イッタラと世界的な日本人デザイナーらの仕事にフォーカスする。

 なお会場では、1937年に発売された当時の特別な色「クリア1937」が本展覧会を記念して復刻して《アアルト・ベース》で登場。日本で人気のサイズ(95 ㎜ /120㎜)で限定販売される。

展覧会限定アイテム《アアルト・ベース「クリア1937」》 ©Iittala
《i-ライン》の広告イメージ(1956) ©Design Museum Finland, Photo: Pietinen
タピオ・ヴィルカラ パーダリンヤー(パーダルの氷) 1960 ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman
Photo by Anton Sucksdorff
イッタラの色ガラスのサンプル(2020) ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman

編集部

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