20世紀の建築や工業デザインに大きな影響を与えたジャン・プルーヴェ(1901〜1984)。その仕事を網羅的に紹介する大規模な展覧会が東京都現代美術館で開催される。
90年代以降再評価が高まり、国内外で人気を誇るプルーヴェは、1901年のパリに生まれた。プルーヴェは画家の父と音楽家の母のもと、産業と芸術の融合を図ったアール・ヌーヴォーの一派であるナンシー派の影響下で、金属工芸家としてキャリアを出発させる。1923 年には初めて自身の工房を開き、その後はル・コルビュジエ、シャルロット・ぺリアンらとの数々の共同作業を行いながら、家具から建築へと仕事を拡大していった。
プルーヴェはアルミニウムやスチールといった新たな建築素材を探求するとともに、解体して持ち運びすることができる椅子やプレハブ建築などの新技術を開発。その仕事は、デザイン、工芸、建築などひとつの分野に収まることなく、建築家のジャン・ヌーヴェルやレンゾ・ピアノらにも大きな影響を与えた。
本展では現存するオリジナル家具およそ100点に加え、ドローイング、資料を展示。さらに移送可能な建築物の屋外展示なども実施し、プルーヴェの仕事の全体像に迫る展覧会が目指されるという。