6月13日より六本木の東京ミッドタウンにある21_21 DESIGN SIGHTで開催が予定されているクリストとジャンヌ=クロードの企画展。その詳細が明らかにされた。
2021年9月、構想から60年という歳月をかけて、パリのエトワール凱旋門を2万5000平米におよぶ青い布と3000メートルもの赤いロープで包むクリストとジャンヌ=クロードのプロジェクト「LʼArc de Triomphe, Wrapped, Paris, 1961–2021(包まれた凱旋門)」が現実のものとなった。本展「クリストとジャンヌ=クロード “包まれた凱旋門”」は、同プロジェクトの制作背景と実現に向けた長い道のりに焦点を当て、クリストとジャンヌ=クロードの人生において貫かれたものを紐解くものだ。
企画展は、ヴラディミール・ヤヴァチェフをはじめとするクリスト・アンド・ジャンヌ=クロード財団の協力を得て開催。「包まれた凱旋門」の実現までの道のりをシネマティックに紹介するセクションと、クリストとジャンヌ=クロードの生涯にわたる活動をドローイングやオブジェ、資料を交えて紹介するセクションを中心に、ギャラリー1&2、ギャラリー3の全館を使って展開される。
シネマティックセクションは、本展ディレクターである映像作家パスカル・ルランのディレクションのもと、クリストとジャンヌ=クロードが残した貴重な写真を様々な視覚手法で再構成する空間インスタレーション。構想から準備、交渉、実現までの約60年という長い道のりを、まるで1本の映画のなかにいるようにダイナミックな空間を通して紹介するものとなる。また「包まれた凱旋門」プロジェクトのために製作した銀色のコーティングが施された青い布と赤いロープも展示予定となっている。
いっぽうの「二人のアーティスト:創作の64年」というセクションでは、クリストとジャンヌ=クロードの活動に長年かかわる柳正彦が企画構成を担当。ドローイングやオブジェ、資料を展示するほか、2017年に収録されたクリストの貴重なインタビュー映像も上映される。
ルランはディレクターズメッセージで、「華々しい実績やそのスケール、人々の歓喜は、この二人のアーティストからの贈り物であるといえます。高い目標を掲げ、それを達成する忍耐力と才能を垣間見ることで、私たちはそこから学ぶことができるのです」とし、本展は「彼らの素晴らしいプロジェクトとそれに対するパリからの愛情を示すもの」と述べている。
長い年月をかけ、様々な困難を乗り越えて実現へと向かうクリストとジャンヌ=クロードの力強い姿勢。夢の実現に向けたそのポジティブな姿勢を様々な視覚手法による作品や貴重な資料などで堪能してほしい。