日本では26年ぶり。「ボテロ展 ふくよかな魔法」(Bunkamura ザ・ミュージアム)
コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロの大規模展「ボテロ展 ふくよかな魔法」がBunkamura ザ・ミュージアムで開幕する。ボテロの生誕90年を記念した、日本国内では26年ぶりの展覧会だ。
1932年生まれのボテロは50年代後半から欧米で高く評価され、今日では現代を代表する美術家のひとりに数えられている。ボテロに注目が集まったのは1963年、ニューヨークのメトロポリタン美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が展覧された時、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のエントランス・ホールにボテロの《12歳のモナ・リザ》が展示されたことから始まった。本展は、ボテロ本人の監修のもと、初期から近年までの油彩、水彩・素描作品など全70点を展示。2020年制作の《モナ・リザの横顔》が世界初公開となるほか、展示作品のほとんどが日本初公開だ。
会期:2022年4月29日~7月3日 ※会期中すべての土日祝はオンラインによる入館日時予約が必要
開館時間:10:00~18:00(金土〜21:00) ※いずれも入館は各閉館30分前まで
休館日:5月17日
料金:一般 1800円 / 高校・大学生 1100円 / 小・中学生 800円
日本初個展。ラシード・ジョンソン「Plateaus」(エスパス ルイ・ヴィトン東京)
シカゴ美術館附属美術大学で写真を学び、2001年に自身初の写真作品シリーズが、「ポスト・ブラック」と呼ばれるポスト公民権運動世代の一翼を担うものとして高い評判を得たラシード・ジョンソン。その日本初個展が「Plateaus」だ。
本展は、フォンダシオン ルイ・ヴィトンが所蔵している選りすぐりのコレクションを世界的に紹介する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの枠組みのなかで開催されるもの。植木鉢や本、シアバターの塊など、様々なオブジェクトが配置された巨大なインスタレーション《Plateaus》のみで構成されている。会場では本人のインタビューも見ることができるので、あわせてチェックしてほしい。
会期:2022年4月27日~9月25日
開館時間:11:00~19:00
休館日:ルイ・ヴィトン 表参道店に準ずる
料金:無料
西洋絵画の名品が来日。「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」(東京都美術館)
世界有数の西洋絵画コレクションを有するスコットランド国立美術館。そのコレクションから、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を紹介する展覧会「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」が東京都美術館で開催されている。
本展では、スコットランドが誇る至宝を選りすぐり、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示。日本初公開となるベラスケスの初期の傑作《卵を料理する老婆》(1618)をはじめ、ラファエロ、エル・グレコ、ブーシェ、スーラ、ルノワールなどの作品を見ることができる。
会期:2022年4月22日~7月3日
開館時間:09:30~17:30(金~20:00) ※入室は閉室30分前まで
休館日:月(5月2日は開室)
料金:一般 1900円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1400円 ※日時指定予約制
北斎の名品が来日。「大英博物館 北斎」(サントリー美術館)
大英博物館が所蔵する北斎作品がサントリー美術館に来日中。国内の肉筆画の名品とともに、北斎の画業の変遷をたどる展覧会が「大英博物館 北斎」展だ。
本展では、大英博物館所蔵の北斎作品を中心に展覧。約70年におよぶ北斎の作画活動のなかでも、とくに還暦を迎えた60歳から90歳で亡くなるまでの30年間に焦点を当て、数多くの代表作が生み出されていく過程を追う。また大映博物館に北斎作品を納めたコレクターたちにも注目し、6人のコレクターおよび研究者の旧蔵品と著作や関連資料などを展示することで、イギリスにおける日本美術愛好の様相を浮き彫りにしている。
会期:2022年4月16日~6月12日 ※会期中展示替えあり
開館時間:10:00〜18:00(金土および4月28日、5月2~4日は〜20:00)
休館日:火(5月3日、6月7日は開館)
料金:一般 1700円 / 大学・高校生 1200円 / 中学生以下無料
年に一度の建物公開。「建物公開2022 アール・デコの貴重書」(東京都庭園美術館)
東京都庭園美術館は年に一度、旧朝香宮邸の建築の魅力を紹介する建物公開展を開催しており、今年は1920年代から30年代のアール・デコ期の貴重書をテーマに展示が行われている。
主要な部屋の内装設計をフランスの室内装飾家アンリ・ラパンに依頼し、ルネ・ラリックをはじめとしたデザイナーが参加するなど、フランス直輸入のアール・デコ様式を取り入れたのがこの東京都庭園美術館本館。本展では、アール・デコ期の貴重書が本館と新館それぞれに展示されているのが見どころ。本館では、自然の光を感じる空間で、家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示にも注目してほしい。
会期:2022年4月23日〜6月12日
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 中学・高校生 500円
茶道具の名品とともに。「燕子花図屏風の茶会 昭和12年5月の取り合わせ」(根津美術館)
緑豊かな庭園で知られる根津美術館では、特別展「燕子花図屏風の茶会 昭和12年5月の取り合わせ」を鑑賞したい。
同館のコレクションの礎を築いた初代根津嘉一郎(1860〜1940、号・青山)が、尾形光琳による《燕子花図屏風》を購入したのは1914(大正3)年のこと。以降、嘉一郎は展覧会や茶会で、惜しみなくこの大傑作を披露した。本展は、嘉一郎が開いた茶会のうち、1937(昭和12)年5月の茶会で取り合わされた茶道具の名品とともに国宝《燕子花図屏風》を展覧するもの。この時期にふさわしい展覧会といえるだろう。
会期:2022年4月16日~5月15日
開館時間:10:00~17:00
休館日:月(5月2日は開館)
料金:オンライン日時指定予約 一般 1500円 / 学生 1200円 / 中学生以下は無料
110点超の日本画のみで構成。「没後50年 鏑木清方展」(東京国立近代美術館)
上村松園と並び、美人画の名手とうたわれる鏑木清方の没後50年記念展が5月8日で閉幕する。
本展は、女性の姿かたちや所作、いで立ちだけでは決して成立しない清方作品の個性に着目するもの。出品作は日本画のみで、その数は110点に上る。なかでも見どころとなるのは、2019年に44年ぶりに公開された三部作《築地明石町》(1927)《新富町》《浜町河岸》(いずれも1930)だ。さらに、清方が毎回力作を出品したグループ展・七絃会展の出品作《鐘供養》(1934)、《雪粉々》(1937)なども公開されている。
会期:2022年3月18日~5月8日
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(3月21日、28日、5月2日は開館)、3月22日
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生 700円