「カッティング」で展示の可能性を問いかける。「エキシビジョン・カッティングス」(銀座メゾンエルメス フォーラム)
ロンドン在住のフランス/イギリス人キュレーター、マチュウ・コプランがキュレーションした日本では初めての展覧会「エキシビジョン・カッティングス」が、7月31日まで銀座メゾンエルメス フォーラムで開催されている。
本展は、「カッティング」というキーワードをもとに、この言葉が持つふたつの意味から構想されている。ひとつは、「カッティング」を新聞などの切り抜きや映画などの編集作業の意味としてとらえた展示。過去に行われた展覧会のアーカイブから切りとって実践を続けるコプランの身振りを紹介する。
もうひとつの空間は、「カッティング」を植物の「挿し木・接ぎ木」として参照し、有機体を展示空間に移植することなどで、人工的に生命を育む生態系を暗喩するものだ。この空間では、急進的なミニマル・ミュージックの巨匠のひとりであるフィル・ニブロックが本展のために書き下ろした音楽も流されている。
会期:2021年4月23日~7月31日
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1 8階
電話番号:03-3569-3300
開館時間:11:00~19:00 ※最終入場は18:30
料金:無料
「死」を考えて描いた絵画。「私のかいたことばに あなたのナミダをながしてほしい」(オオタファインアーツ)
草間彌生の新作・近作を紹介する展覧会「私のかいたことばに あなたのナミダをながしてほしい」が、7月31日に東京・六本木のオオタファインアーツで閉幕する。
同ギャラリーの東京スペースでは5年ぶりの草間の個展となる本展。草間が2009年から制作を続けてきた「わが永遠の魂」シリーズより絵画33点と、インスタレーション作品《雲》(2019)が展示されており、出品作の多くは、草間が「死」を考えながらつくったものだという。
また物理的な展示とあわせて、オオタファインアーツは今回の出品作を紹介するオンライン・ビューイング・ルームも開設し、筧菜奈子の書下ろしテキストとともに展覧会を紹介。いまなお精力的に制作を続ける草間の思いや情熱を、ぜひ本展で感じてほしい。
会期:2021年6月22日~7月31日 ※完全予約制
会場:オオタファインアーツ
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F
電話番号:03-6447-1123
開館時間:12:00~18:00
料金:無料
20年以上続けられる対話。「リタ・アッカーマン&アンドロ・ウェクア:Chapter 4」(ファーガス・マカフリー東京)
ソビエト理想主義の崩壊、体制下における抑圧、祖国からの亡命、移民としての経験を共有するアーティスト、リタ・アッカーマンとアンドロ・ウェクア。その2人展「Chapter 4」が、7月31日までファーガス・マカフリー東京で行われている。
ウェクアは、動物やヤシの木、物思いに沈む青年、見放された場所のイメージのコラージュを、マーク・ロスコの色遣いを彷彿とさせる鮮やかなピンク、紫、アシッドイエロー、ターコイズ、マゼンタの層の下へと徐々に消していき変容させる。アッカーマンの作品も同様に、既存のイメージに層を重ね、多くの場合でそこには相反する要素が共存しているように映る。
本展では、長年にわたる同志であり、それぞれが確立した強いパーソナリティーを持つ作家ふたりによる、絵画とコラージュ作品(2008〜)を展示し、20年以上にわたって続けられる対話について明らかにする。
会期:2021年5月1日~7月31日
会場:ファーガス・マカフリー東京
住所:東京都港区北青山3-5-9
電話番号:03-6447-2660
開館時間:11:00~19:00
料金:無料