EXHIBITIONS
エキシビジョン・カッティングス
マチュウ・コプランによる展覧会
ロンドンを拠点にするキュレーターのマチュウ・コプランが、日本では初となる展覧会「エキシビジョン・カッティングス」を開催。挿し木や切断、編集といったキーワードを用い、ミニマルな美学で展覧会という場のもつ可能性を問いかける。
コプランは1977年生まれ。2003年から展覧会というプラットフォームを用いながら、展覧会の伝統を覆し認識を刷新するような実践を続けてきた。共同キュレーションの展覧会「Voids, A Retrospective(空虚、回顧展)」(ポンピドゥー・センター、パリ、2009/クンストハレ・ベルン、2009)では、ギャラリー空間を空にすることを試みた歴代の展覧会を回顧展形式で再訪するという、完全なる空虚(無)としての展覧会を開き大きな議論を呼んだ。また、単独キュレーションの「A Retrospective of Closed Exhibitions(閉鎖された展覧会の回顧展)」(Fri Art クンストハレ・フリブール、2016)では、アーティストの表現として閉鎖された歴代の展覧会を取り上げた。コプランはこれらの新たな展覧会の体験や知覚を提案し、その伝統的な役割や枠組みをいかに揺るがすことができるかに挑んでいる。
コプランは本展「エキシビジョン・カッティングス」を、「カッティング(Cutting)」という言葉の持つ2つの意味から構想。ひとつは、植物の「挿し木・接ぎ木」を示すもので、有機体が人工的に生命を育むこと。もうひとつは、新聞などの切り抜きや映画などの編集作業の意味し、過去に行われた展示のアーカイヴから「カッティング」して制作を続ける、コプランの身振りを示すものとなる。
「挿し木・接ぎ木」を参照する空間では、音に満たされた環境が立ち上がる。楽曲は、急進的なミニマル・ミュージックの巨匠のひとりであり、持続音を多用する音楽(ドローン・ミュージック)で知られるフィル・ニブロックが本展のために書き下ろしたもの。アーティスト・西原尚らと展示をつくり上げたギャラリー内には、パンデミックのなかで演奏・録音された6つの曲が流れ、満ちあふれる自然光とともに中心に設置された植物を育成する。
そしてフィリップ・デクローザの絵画で始まるもうひとつの空間では、ドキュメンタリー映像作品《The Anti-Museum: An Anti-Documentary》を公開。これはアーティストが芸術行為、あるいは自らの決断において展示を閉鎖した歴史とその意味を問い、アートや展示空間における制度の限界や議論を再構築する試みであり、鑑賞者はコプランの「閉鎖された展覧会の回顧展」を再訪することとなる。
本展の参加作家・楽団は、フィリップ・デクローザ、F・M・アインハイト、アンサンブル IRE、ディヴィッド・マランハ、西原尚、スティーヴン・オマリー、ヘンリー・ロリンズ、エリザベート・スマルト、ヴォクスマーナ、デボラ・ウォーカー。
コプランは1977年生まれ。2003年から展覧会というプラットフォームを用いながら、展覧会の伝統を覆し認識を刷新するような実践を続けてきた。共同キュレーションの展覧会「Voids, A Retrospective(空虚、回顧展)」(ポンピドゥー・センター、パリ、2009/クンストハレ・ベルン、2009)では、ギャラリー空間を空にすることを試みた歴代の展覧会を回顧展形式で再訪するという、完全なる空虚(無)としての展覧会を開き大きな議論を呼んだ。また、単独キュレーションの「A Retrospective of Closed Exhibitions(閉鎖された展覧会の回顧展)」(Fri Art クンストハレ・フリブール、2016)では、アーティストの表現として閉鎖された歴代の展覧会を取り上げた。コプランはこれらの新たな展覧会の体験や知覚を提案し、その伝統的な役割や枠組みをいかに揺るがすことができるかに挑んでいる。
コプランは本展「エキシビジョン・カッティングス」を、「カッティング(Cutting)」という言葉の持つ2つの意味から構想。ひとつは、植物の「挿し木・接ぎ木」を示すもので、有機体が人工的に生命を育むこと。もうひとつは、新聞などの切り抜きや映画などの編集作業の意味し、過去に行われた展示のアーカイヴから「カッティング」して制作を続ける、コプランの身振りを示すものとなる。
「挿し木・接ぎ木」を参照する空間では、音に満たされた環境が立ち上がる。楽曲は、急進的なミニマル・ミュージックの巨匠のひとりであり、持続音を多用する音楽(ドローン・ミュージック)で知られるフィル・ニブロックが本展のために書き下ろしたもの。アーティスト・西原尚らと展示をつくり上げたギャラリー内には、パンデミックのなかで演奏・録音された6つの曲が流れ、満ちあふれる自然光とともに中心に設置された植物を育成する。
そしてフィリップ・デクローザの絵画で始まるもうひとつの空間では、ドキュメンタリー映像作品《The Anti-Museum: An Anti-Documentary》を公開。これはアーティストが芸術行為、あるいは自らの決断において展示を閉鎖した歴史とその意味を問い、アートや展示空間における制度の限界や議論を再構築する試みであり、鑑賞者はコプランの「閉鎖された展覧会の回顧展」を再訪することとなる。
本展の参加作家・楽団は、フィリップ・デクローザ、F・M・アインハイト、アンサンブル IRE、ディヴィッド・マランハ、西原尚、スティーヴン・オマリー、ヘンリー・ロリンズ、エリザベート・スマルト、ヴォクスマーナ、デボラ・ウォーカー。