モンドリアンから梅沢和木まで、今週末に見たい展覧会ベスト3

今週スタートした展覧会と6月6日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」の展示風景より、左から《大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション》《赤、青、黒、黄、灰色のコンポジション》(いずれも1921)

銀座に新スペースがオープン。「画像・アラウンドスケープ・粒子」(RICOH ART GALLERY

展示風景より、梅沢和木《画像の粒子 -Twelve Style》(2021)

 銀座のビル「三愛ドリームセンター」8階・9階に「RICOH ART GALLERY」がオープン。杮落としとして、6月5日から梅沢和木の個展「画像・アラウンドスケープ・粒子」が開催される(7月3日まで)。

 本展に並ぶのは、インクを定着させ細かな凹凸をつくりだすリコーのプリント技術「StareReap」の技術者との対話を経て制作された新作だ。

 これまでインターネット上に存在する画像データなどをコラージュし、デジタル画像を現実の物質として定着させる試みを行ってきた梅沢は、今回「StareReap」の技術で複数のレイヤーが積層したフォトショップのデータをベースに出力し、ペイントを施した。本展ではこの新作群に加えて、壁画や過去のドローイング作品、試作品なども見ることができる。

会期:2021年6月5日~7月3日
会場:リコーアートギャラリー
住所:東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター 8・9階
電話番号:03-3289-1521
開館時間:12:00~19:00
休館日:日月祝
料金:無料

純粋な絵画とは何か。「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」(SOMPO美術館

展示風景より、右から《色面のコンポジション No.3》(1917)《コンポジション(プラスとマイナスのための習作)》(1916)

 西新宿のSOMPO美術館は、緊急事態宣言による臨時休館を経て6月1日から開館。「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」は6月6日に閉幕する。

 本展は、オランダのデン・ハーグ美術館が所蔵する作品50点に加え、国内美術館のモンドリアン作品と関連作家による作品約20点から構成。初期作品からキュビズムに影響を受けた作品、そして晩年の代表作まで、その制作スタイルの変遷をたどる。

 モンドリアンが「コンポジション」シリーズの制作をスタートしたのは1912年後半から。20年からは水平線、垂直線、三原色の矩形からなる作品のみを制作した。また本展では、17年にモンドリアンとともに「デ・ステイル」を結成したデオ・ファン・ドゥースブルフらの作品、日本でのモンドリアン受容を振り返る資料も紹介する。

会期:2021年3月23日~6月6日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
料金:一般 1500円 / 大学生 1100円 / 小学・中学・高校生無料 ※日時指定入場制 

日本では約30年ぶりの大規模個展。「Viva Video! 久保田成子展」(新潟県立近代美術館

久保田成子 《デュシャンピアナ:自転車の車輪1、2、3》と《三つの山》の展示風景(原美術館、1992) 撮影=内田芳孝
Courtesy of Shigeko Kubota Video Art Foundation; (C) Estate of Shigeko Kubota 

 映像と彫刻を組み合わせた「ヴィデオ彫刻」で知られ、ヴィデオ・アートの先駆者として知られている久保田成子。その日本では約30年ぶりとなる大規模個展が、新潟県立近代美術館で6月6日に終了する。

 代表作「デュシャンピアナ」シリーズをはじめ、2015年の没後に設立された久保田成子ヴィデオ・アート財団によって復元されたヴィデオ彫刻、作家によって保管されていたドローイングなどを中心に、初公開資料を多数展示する本展。アメリカを拠点に活動した日本人女性アーティストとして活動した久保田について、最新研究に基づいた新たな作家像を提示することを目的としている。

 なお本展はこの後、国立国際美術館(6月29日~9月23日)、東京都現代美術館(11月13日~2022年2月23日)に巡回予定。

会期:2021年3月20日~6月6日
会場:新潟県立近代美術館
住所:新潟県長岡市千秋3-278-14
電話番号:0258-28-4111
開館時間:9:00~17:00(券売は~16:30)
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料

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