EXHIBITIONS

Viva Video!久保田成子展

2021.03.20 - 06.06

Shigeko Kubota Portrait © Tom Haar, 1972. Courtesy of Tom Haar and Shigeko Kubota Video Art Foundation.

久保田成子 《メタ・マルセル:窓(花)》(部分) 1983年 Photo by Peter Moore Courtesy of Shigeko Kubota Video Art Foundation; © Estate of Shigeko Kubota

久保田成子 《デュシャンピアナ:自転車の車輪1、2、3》と《三つの山》の展示風景(原美術館、1992年)
撮影=内田芳孝 Courtesy of Shigeko Kubota Video Art Foundation; © Estate of Shigeko Kubota 

 ニューヨークを拠点に国際的に活躍したヴィデオ・アーティスト、久保田成子(1937〜2015)の没後初となる大規模個展「Viva Video!久保田成子展」が開催。代表作「デュシャンピアナ」シリーズをはじめ、ヴィデオ彫刻、映像作品、それらのためのスケッチやアーカイヴ資料などにより、久保田の仕事を展覧する。

 久保田は新潟県西蒲原郡巻町(現・新潟市西蒲区)出身。「フルクサス」のメンバーのひとりであり、映像と彫刻を組み合わせた「ヴィデオ彫刻」で知られている。2015年に作家が亡くなった直後、その遺産を保護し、さらに発展させるために、「久保田成子ヴィデオ・アート財団」がニューヨークに設立された。

 ヴィデオというメディアの黎明期に、世界を舞台に自らの芸術を展開したひとりの女性作家は何を考え、どのように表現を追求したのか。本展の目的は、アメリカを拠点とした日本人女性アーティストとしての久保田の活動について、最新研究に基づいた新たな作家像を提示することだ。

 久保田成子ヴィデオ・アート財団によって復元されたヴィデオ彫刻のほか、作家によって保管されていたドローイングや、様々な作家との交流を示す写真や手紙などの資料、国内美術館の所蔵品や作家の遺族からの借用品を含めて展示し、初期から晩年までの創作活動をたどる。

 注目の作品は、マルセル・デュシャンとの出会いからつくられた「デュシャンピアナ」シリーズ。デュシャンへの敬意とそれを乗り越えようとする久保田の挑戦を、作品を通して紹介する。また、1991年の冬季オリンピックで銀メダルを獲得した元フィギュアスケート選手、伊藤みどりをモデルにした《スケート選手》(1991〜92)や、夫ナムジュン・パイクの故郷の墓をモチーフにした《韓国の墓》(1993)などのヴィデオ彫刻は日本初公開となる。

 本展は新潟を皮切りに、約1年をかけて全国3ヶ所の美術館を巡回予定。