佐藤可士和からロベール・ドアノーまで、今週末に見たい展覧会ベスト3

今週スタートした展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「佐藤可士和展」(国立新美術館)より、「ADVERTISING AND BEYOND」展示風景

過去最大規模の個展。「佐藤可士和展」(国立新美術館

「THE LOGO」展示風景より

 日本を代表するクリエイティブ・ディレクターのひとり、佐藤可士和。その過去最大規模となる個展が2月3日、東京・六本木の国立新美術館で開幕した。会期は5月10日まで。

 本展は佐藤自らがキュレーションした会場構成で、約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介。展示は幼少期の作品や、社会人1年目のとき初めてMacで制作したという作品からスタート。その後のセクションでは、あえてSMAPのメンバーの顔を出さない戦略で話題を集めたアルバム『S map / SMAP 014』など、街にあるものすべてを「メディア」ととらえて展開された90年代以降の主要なプロジェクトを紹介する。

 また、UNIQLO、楽天、日清といった企業や、会場である国立新美術館など、多種多様な分野で佐藤が手がけてきたロゴも一堂に集結。佐藤が「コミュニケーション設計の要」ととらえるロゴの数々をじっくりと見ることができる。加えて、佐藤によるアートワークやポスター、ブランディングプロジェクトも紹介され、幅広い仕事を総覧するまたとない機会となる。

会期:2021年2月3日~5月10日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600 
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:火(ただし2月23日、5月4日は開館)、2月24日 
料金:一般 1700円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料
※混雑緩和のため事前予約制(日時指定券)を導入 
 

パリにあふれる音楽をとらえて。「写真家ドアノー/音楽/パリ」(Bunkamura ザ・ミュージアム

展示風景より、右がロベール・ドアノー《サン=ジェルマン=デ=プレのジュリエット・グレコ》(1947)

 フランスの国民的写真家、ロベール・ドアノー(1912~94)の展覧会が、2月5日に東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでスタート。会期は3月31日まで。

 ドアノーは『ヴォーグ』『ライフ』誌でのファッション写真のほか、パリの庶民の日常をとらえた写真で高い評価を得た。本展では「音楽」を切り口に、その作品約200点を紹介。パリで人気を博した展覧会を日本向けに再構成し、「街角」「歌手」「ビストロ、キャバレー」「ジャズとロマ音楽」「スタジオ」「オペラ」「モーリス・バケ」「1980-90年代」の全8章で構成する。

 会場では、街角の様子やシャンソンの歌手たち、マルグリット・デュラスやシモーヌ・ド・ボーヴォワールといった文化人の姿、パリで花開いたジャズシーンなどを収めた写真を展示。そして最後には、晩年まで新たな世代のミュージシャンを撮影しつづけたドアノーの姿を追う。写真の数々からは、パリという都市の歴史と、そこに生きる人々の力強さを感じ取ることができるだろう。

会期:2021年2月5日~3月31日
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1階
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00~18:00
休館日:会期中無休
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 700円
 

「意匠の天才」の世界。「小村雪岱スタイル―江戸の粋から東京モダンへ」(三井記念美術館

泉鏡花『愛染集』(表見返し) 装幀=小村雪岱 冊子 1冊 1916(大正5) 清水三年坂美術館蔵

 東京・日本橋の三井記念美術館では、特別展「小村雪岱スタイル―江戸の粋から東京モダンへ」が2月6日に開幕する。会期は4月18日まで。

 小村雪岱(こむら・せったい、1887~1940)は、大正~昭和初期に商業美術の世界で大きな足跡を残した「意匠の天才」。装幀家、小説挿絵画家、舞台美術家として活躍するほか、発足して間もなかった資生堂の意匠部で商品や広告のデザインを担当した。

 本展では、様々なジャンルに新風を吹き込んだ雪岱の作品を、代表作の《月に美人》や《青柳》をはじめ、貴重な肉筆画や版画で総合的に紹介。また、雪岱の意匠の源流である鈴木春信の浮世絵や、並河靖之の七宝といった明治工芸も展示。「江戸の粋」から「東京モダン」までの系譜を振り返り、「雪岱スタイル」の魅力に迫る。

会期:2021年2月6日~4月18日
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
電話:050-5541-8600
開館時間:11:00~16:00(入館は15:30まで)※事前予約制
休館日:月(ただし2月22日は開館)、2月28日
料金:一般 1300円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料 

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