世界各地で挑戦を続ける女性アーティスト16名に注目し、その活動に光を当てる展覧会「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」が、2021年4月22日より森美術館で開催される。
近年、ジェンダーや人種、民族、信条などのアイデンティティの不均衡を正し、ダイバーシティを重視する動きが世界各地に拡大。現代アートにおいてもこの10年ほどのあいだ、女性アーティストたちに注目が集まっている。
こうした背景の下でスタートした本企画では、50年以上にわたって制作活動を行っている女性アーティストたちにフォーカス。参加作家の年齢は71歳から105歳まで、出身地はベイルート、イギリス、カイロ、スイス、ベルギー、韓国、日本など世界14ヶ国におよび、現在の活動拠点も多岐にわたる。
参加アーティストには、エテル・アドナン、フィリダ・バーロウ、アンナ・ボギギアン、ミリアム・カーン、リリ・デュジュリー、アンナ・ベラ・ガイゲル、ベアトリス・ゴンザレス、カルメン・ヘレラ、キム・スンギ、スザンヌ・レイシー、三島喜美代、宮本和子、センガ・ネングディ、ヌヌンWS、アルピタ・シン、ロビン・ホワイトが名を連ねている。
絵画、映像、彫刻、大規模なインスタレーションにパフォーマンスなど多彩な作品を通し、各アーティストの実践から、フェミニズム、移民の歴史など世界の問題や事象、そして美術史に対する様々な解釈などを通覧。「アナザーエナジー」とは何かを考える。
また、展示室内では、それぞれのアーティストの活動やこれまで歩んできた人生の軌跡、そして異なる背景を持つアーティストたちの作品に見られる共通点なども紹介。会期中には、展覧会のコンセプトやアーティストたちの活動をより良く理解するためのレクチャー、アーティスト・トークなどのプログラムも開催する予定だ。
なお、展覧会カタログには、展示風景図版や本展のふたりのキュレーター、片岡真実とマーティン・ゲルマンによる主論考2本、各アーティストの個人史や作品の変容に焦点を当てた世界各地の専門家による論考16本を収録予定となっている。
生涯をかけて挑戦を続けてきた16名の女性アーティスト。その活動は今日の世界にどのような視座を与えるのか、注目したい。