NEWS / HEADLINE - 2020.6.27

ボルチモア美術館が見せる、ジェンダーギャップ是正への取り組み。60点以上の女性作家作品を新規収蔵

1年を通じて女性アーティストの作品のみを収蔵・展示するというプログラム「2020 Vision」を実施しているアメリカのボルチモア美術館が、その新規収蔵作品の詳細を発表した。

ボルチモア美術館 出典=ボルチモア美術館のウェブサイトより

 1年にわたり女性アーティストの作品のみを収蔵・展示するというプログラム「2020 Vision」を実施しているアメリカ・メリーランド州のボルチモア美術館が、その新規収蔵作品の詳細を発表した。

 ボルチモア美術館は9万5000点の作品を所蔵しているが、女性アーティスト・デザイナーによる作品はそのうちわずか4パーセントにとどまっている。そのジェンダーギャップを是正しようというのが、「2020 Vision」だ。

 同館は今年、250万ドル(約2億6000万円)以上の予算を投じて女性アーティストの作品を購入。これまで60点以上の作品が新たに収蔵されており、なかにはバーバラ・チェイス・リブーやヤニワ・エリスによるミクストメディア彫刻と絵画、ナタリー・ユールベリやローラ・オルツマンによる映像とアニメーション、ビビアン・ブラウンやバーバラ・レジーナ・ディーチュによるドローイング、デルフィーヌ・ディアロやマリエット・パティ・アレンによる写真などがある。

 これらの作品に加え、同館はナンシー・グレイブス、レッド・グルームス、デボラ・カス、パウル・クレー、ケネス・ノーランド、ジョルジュ・ルオーの作品の寄贈も受けた。完全な作品リストは、6月29日に同館のウェブサイトで公開予定。同プログラムのために収蔵された作品の情報は、今後も定期的に発表されるという。

 また、新型コロナウイルスの影響により臨時休館中の同館は、「2020 Vision」の関連展覧会とプログラムが2021年まで延長することも発表。3月に開幕したキャンディス・ブレイツ、ザッカリー・ドラッカー、カタリナ・グロッセ、バレリー・メイナード、シャン・ウォレスなどの個展は、21年1月まで延長。今年9月に開催を予定していたジョアン・ミッチェルの回顧展は、21年春に行われる予定だ。

 同館のディレクター、クリストファー・ベッドフォードは声明文で、「本日発表された購入情報は、私たちのキュレーターチームが当館のコレクションあるいは女性や有色人種などのアーティストを過小評価してきた美術史における不均衡を修正し続けるための精神と努力の表れだ」としつつ、「私は、コレクションに入る作品の質と広さ、そして多様性を反映するための継続的な努力に興奮している」とコメントしている。