日本人が追求してきた浄土とは?「杉本博司 瑠璃の浄土」(京都市京セラ美術館)
開館から80年以上の時を経て、今年リニューアル・オープンした京都市京セラ美術館。その新館「東山キューブ」でのこけら落とし「杉本博司 瑠璃の浄土」がいよいよ10月4日に閉幕する。
杉本は本展において、「瑠璃」「浄土」「偏光色」をキーワードに、「浄土を追求してきた日本人の心の在り様」を見つめ直すことを目指したという。世界各地の「海景」を封じ込めた「光学硝子五輪塔」や、世界初公開となる大判のカラー作品シリーズ「OPTICKS」、京都・三十三間堂の千体仏を撮影した「仏の海」シリーズ、そして杉本が収集した考古遺物など、大ボリュームの展示となっている。
また、東山キューブに隣接する日本庭園には《硝子の茶室 聞鳥庵》が設置。ヴェネチア、ヴェルサイユとふたつの都市で展示されてきたが、今回が日本初公開となる本作もお見逃しなく。
会期:2020年5月26日~10月4日
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
※展覧会は予約優先制。定員に達していない時間帯は予約なしでの当日観覧受付が可能
アートヴィデオに焦点を当てた展覧会シリーズ。「岡田裕子展ー誰も来ない展覧会ー」(元映画館)
東京・東日暮里に位置する、30年前に閉館した映画館を改修したアートスペース「元映画館」で、アートヴィデオに焦点を当てた個展形式の展覧会シリーズ「映像の美術館」がスタート。第1回となる「岡田裕子展ー誰も来ない展覧会ー」は、10月4日まで行われている。
本展では、岡田裕子が体験型のサウンド作品「こんにちは、さようなら、あの日、ここで」シリーズの第2弾となる新作《誰も来ない展覧会》を発表。また、これまでの映像作品から「元映画館」のイメージにあわせて選りすぐった《翳りゆく部屋》(2009)、《Restaurant No Dress Code》(2012)、《EXCERCISES》(2014)も上映している。
「ArtSticker」が共同企画した本展では、鑑賞者はArtStickerの音声ガイド機能で岡田によるナレーションを聴きながら、館内を探検することができる。昭和の残り香が感じられる会場で、岡田の新たな表現を体験してほしい。
会期:2020年9月25日〜10月4日
会場:元映画館
住所:東京都荒川区東日暮里3丁目31-18 旭ビル2F
開館時間:17:00〜22:00
休館日:無休
料金:1500円(入場料・映像作品鑑賞料・体験型作品鑑賞料・1ドリンク含む)
※感染予防のため予約制。鑑賞券はあらかじめArtStickerで要購入
※来場の際はArtStickerアプリの入ったスマートフォンとイヤフォンの持参が必要
トム・サックスがフルデザインした小売り体験。「Tom Sachs:Retail Experience」(伊勢丹新宿店本館2階)
ニューヨークを拠点に、国際的な活動を展開するアーティスト、トム・サックス。その最新の試み「Tom Sachs:Retail Experience」が、伊勢丹新宿店本館2階のISETAN THE SPACEでスタートした。
身の周りにある素材を使って現代のアイコンを再現するなど、ジャンルを超越したミクストメディアによる彫刻作品を発表し続けているトム・サックス。本展では、そのアートや家具、プロダクトが一堂に展示されており、会場には椅子、照明、お猪口、茶碗など様々なモノが並んでいる。
展覧会のタイトル「Retail experience」とは、スタジオの物理的発現の入手をあらゆる人と分かち合う機会のことを意味している。展示作品もすべて購入できる。ファッションブランドに囲まれた一角で、作品と日用品などの境界線について考えを巡らせてみてほしい。
会期:2020年9月29日~11月30日
会場:ISETAN THE SPACE(伊勢丹新宿店 本館2階)
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
電話番号:03-3352-1111
開館時間:10:00〜20:00