「彼女たちは歌う」から「New Photographic Objects」まで、今週末に見たい展覧会ベスト3

9月6日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。予約方法や注意事項については、各館の公式ウェブサイトを参照してほしい。

「メルセデス・ベンツ アート・スコープ2018-2020」(原美術館)より、久門剛史《Resume》(2020)

女性アーティストたちが見据える未来。「彼女たちは歌う Listen to Her Song」(東京藝術大学大学美術館 陳列館)

金仁淑 Between Breads and Noodles: Grandfather and I 2014

 11人の女性アーティストによる展覧会「彼女たちは歌う Listen to Her Song」が、東京藝術大学大学美術館 陳列館で9月6日に閉幕する。

 本展では、「境界」の曖昧さと揺らぎの表現に注目。性や種、時代や場所を超越した新たな関係性を探求する、多様な作品を紹介する。参加作家は、乾真裕子、遠藤麻衣、菅実花、金仁淑(キム・インスク)、鴻池朋子、小林エリカ、スプツニ子!、副島しのぶ、百瀬文、山城知佳子、ユゥキユキ。キュレーターは同大准教授の荒木夏実。

 また現在展覧会のウェブサイトでは、準備期間中に行われたオンラインのディスカッションをまとめたウェブマガジン『彼女たちは語る』も公開中。こちらもあわせてチェックしてほしい。

会期:2020年8月18日~9月6日
会場:東京藝術大学大学美術館 陳列館
住所:東京都台東区上野公園12-8
開館時間:12:00~18:00
料金:無料
 

コロナ禍に生まれた新作を見る。「メルセデス・ベンツ アート・スコープ 2018-2020」(原美術館

ハリス・エパミノンダ(ダニエル・グスタフ・クラマーとの共作) Untitled #01 b/l 2020

 メルセデス・ベンツ日本による、日本とドイツのあいだで現代美術作家を相互に派遣・招聘し、創作活動を通した交流を図る文化・芸術支援活動「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」。その2018~20年の成果発表展が、原美術館で9月6日に終了する。

 今回の出展作家は、久門剛史(18年ベルリンへ派遣)とハリス・エパミノンダ(19年東京へ招聘)、そして過去の参加作家である小泉明郎(10年ベルリンへ派遣)。それぞれ、コロナ禍の状況に対峙する新作を発表している。

 久門はキャンバスや音を用いたインスタレーションを、エパミノンダは原美術館の歴史に足跡を残した音楽家・作曲家の吉村弘に着想を得た作品などを、そして小泉はヘッドフォンで音源を聴く体験型の作品を展示。来年1月に閉館する原美術館と作品の共演をお見逃しなく。

会期:2020年7月23日〜9月6日
会場:原美術館
住所:東京都品川区北品川4-7-25
電話番号:03-3445-0651
開館時間:11:00-16:00(土日祝〜17:00)
料金:一般 1100円 / 大学・高校生 700円 / 小・中学生 500円
※日時指定の予約制(ウェブサイトから予約可能)
 

「新しい写真的なオブジェクト」とは。「New Photographic Objects 写真と映像の物質性」(埼玉県立近代美術館

Nerhol Portrait of Mr. Yoshida 2017 インクジェット・プリント Nerhol Courtesy of YKG

 埼玉県立近代美術館の企画展「New Photographic Objects 写真と映像の物質性」が、9月6日に閉幕する。

 本展では、デジタル技術が発展し社会に浸透した現代において、メディアの物質性を重視したアーティストのアプローチに注目。その作品を「新しい写真的なオブジェクト」と措定し、現代における写真・映像表現の一断面をとらえる。

 参加作家は、スナップ写真やその技法を応用した映像作品を手がける迫鉄平、石や岩をモチーフに重厚で物質的なイメージを制作する滝沢広、写真を彫り込む手法で知られるNerhol、自然現象や風景を撮影し、編集段階で重層的な操作を行う牧野貴、そして撮影後のデータ加工や出力、特殊な現像方法などを駆使する横田大輔。本展は、5組の多様な実践を見るまたとない機会となる。

会期:2020年6月2日~9月6日
会場:埼玉県立近代美術館
住所:埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
電話番号:048-824-0111
開館時間:10:00~17:30 ※入場は閉館の30分前まで 
料金:一般 1100円 / 大学・高校生 880円 / 中学生以下無料

編集部

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