「アール&シー」は、CG作家の衛藤隆世とペインターであるリヴァ・クリストフから成る共同体。ふたりは共同生活を送りながら、ゲームや建築、マンガ、SNS、グラフィティなど多様な文化をない交ぜに制作を行っている。その判然としないライフワークから集積される作品群は、次々と異なる何かが生産される一貫性のなさで見る者を振り回す。
今回、アール&シーの初個展「Relay&Conflict」が、東京の四谷未確認スタジオで開催されている(7月17日〜8月2日)。本展では、日常的につくり続ける作品とは別に、一定期間行ったという「リレー」の成果を展示。この「リレー」とは、いっぽうが制作した作品をもういっぽうへ手渡し、受け取ったほうで手を加え文脈を読み替え、あるいは再度ゼロから構築し直し、またもういっぽうへと返信する......という本展に向けて採用された制作方法だ。
アール&シーは、このリレーを40回実施。本展は、アール&シーがいったい何者であるか、どういった関係性のなかで共同生活を送っているのか、そこで何をしているのかを可視化する展覧会となる。ふたりの作家のあいだで変容し続けた作品の変遷を追いかけることで、違う文脈や倫理観を持つ隣人の機微を再び作品化しようとする試みだ。アール&シーの関心や実験は、各種SNSアカウントからチェックできる。